プロモーション、広告宣伝領域にもフレームワークは存在します。今回は外資系広告クリエイティブに伝わるフレームワークのご紹介です。
外資系の広告代理店では、キーメッセージとキーフォーカスというフレームワークをしっかり使ったプランニング、クリエイティブがあることろもありますね。
枠組みとしては、コンサルティングでよく使われる「これまで」と「これから」に似たようなものです。
現在のターゲット層の自社商品に対する考えを左側に書いて、自社の商品を買ってもらうために、ターゲット層がどう考えてくれればいいのか?を右側に書きます。
これがキーフォーカスです。
このキーフォーカスはさらさら書けるものではなく、ちゃんと状況を調べた上で、書き上げるものですね。ここを書き上げるのはプランナーのお仕事ですよね。
左側には、今、ターゲット層が自社商品、もしくは類似商品に対して、こういうふうに思っている、というのは、けっこうちゃんとグループインタビューをして、仮説を抽出した上で、定量的に検証していかないと出発点を間違えますよね。
それをどういったところに変えるのか?が右側に書くべきことですね。ターゲット層がどう考えてくれればいいのか?というのは、プランナーのクリエイティビティが試されるところですよね。
そのキーフォーカスが明確になった上で、左から右へ、世界の認識を変えるには?という論点の解を一言で言うのがキーメッセージですね。
例えば、一時期、「くぅ?ちゃん」ブームを巻き起こしたアイフルのCMがあります。
キーメッセージとしては、「どうする?アイフル」でしたね。
「くぅ?ちゃん」の前に流していたCMも「どうする?アイフル」だったことを知っていますか?
キーメッセージは一緒だったんですね。
シチュエーションとしては、みんなでレジャーに行こうとしている時、例えば、スキューバダイビングに行こうとしているんですが、1人だけ遅れてやってくる人がいる。
彼は、どう見てもスキューバの格好ではない。素もぐりと言うかなんというか。
そう、明らかにお金がない。
そのお金がない彼が白黒でアップになって、
「どうする?アイフル」が探偵物語調?で流れる。
具体のレベルで言えば、トーン&マナーが明らかに違うんですね。
そして、その違いをもたらしているのは、キーフォーカスの右側、ターゲットがどういう認識になればいいのか?というゴールがやや違うんですね。
ざっくり言うと、せっぱつまった感じに近いほうが人はお金を借りるのでは?というインサイトがあるんですね。
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2008.10.21
2008.10.26
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。