2008.09.12
ヤフーの新広告システム「インタレストマッチ」は何がスゴいのか
安田 英久
株式会社インプレスビジネスメディア Web担当者Forum編集長
ヤフーとオーバーチュアが、新しい広告システム「インタレストマッチ」をこの秋から開始する。 「世界初」として、オーバーチュアが広告主向けに、ヤフーが媒体向けに、それぞれ相当な力を入れて推進するこのシステムは、どういったものなのだろうか。スポンサードサーチなどの既存の検索連動型広告を知っている人向けに、わかりやすく解説しよう。
広告主はスポンサードサーチと同様に出稿
高度な機能をもつインタレストマッチだが、広告を出稿する側は、スポンサードサーチと変わらない形で広告を出稿できる。つまり、「何に興味をもっているのか」を、キーワードで指定し、そのキーワードに対して入札価格を設定するのだ。広告の掲載順位はスポンサードサーチと同様に「入札価格+広告の品質」で決定され、広告料金はクリック課金型で請求される。
もちろん地域・性別・年代・時間帯などを指定する場合は別途指定するが、ほとんどスポンサードサーチと同じだということがわかるだろう。
とはいえ、入札キーワードの指定に関しては、インタレストマッチのほうが広告主に優しい。というのも、インタレストマッチでは、システムによって抽出されたユーザーの「興味」と入札キーワードを対応させるため、検索キーワードと入札キーワードを一対一で対応させる検索連動型広告で苦労していたような、表記揺れや細かい表現への対応が必要ないからだ。
ただし、インタレストマッチでは広告は事前審査となり、審査が終了してからの掲載となるということだ。少し面倒かも。
配信先はYahoo! JAPANの200億PV以上と各種サイトに
出稿した広告がどこに表示されるかも、広告主としては気になるところだろう。
インタレストマッチに出稿した広告は、月間200億PVを誇るYahoo! JAPANのサイト内に掲載されるほか、ヤフーの「Yahoo!ウェブオーナーセンター」に登録して「アドパートナー」となった個人ブログや個人サイト、また、ヤフーが提携する各種のメディアサイトに表示される。
また、当初はPC向けサイトへの掲載だけだが、追ってモバイルサイトへも独自技術によって対応するとのことだ。
まだ不便なところもあるが徐々に改善されるはず
2008年秋から開始されるインタレストマッチだが、残念ながら、既存のスポンサードサーチを利用している広告主でも、インタレストマッチのアカウントは別のものとなる。つまり、検索連動型広告はスポンサードサーチの管理画面を使い、インタレストマッチはまた別の管理画面を使って、それぞれ予算やレポートを管理しなければいけないのだ。
グーグルのアドワーズ広告では、1つのアカウントで検索連動型広告もコンテンツ連動型広告も管理できることを考えると、非常に面倒だ。
とはいえ、インタレストマッチは日本で独自に開発したサービスだということを考えると、米Yahoo!が中心となっているスポンサードサーチとのインターフェイスの統合には、さまざまな大人の事情による困難が存在することは容易に想像できるだろう。オーバーチュア側でもその問題は認識しているようで、将来的には管理画面を統合するインターフェイスを用意したいという意向はあるとのこと。
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