『なぜ君は絶望と闘えたのか』本村洋の3300日(門田隆将/新潮社)読了後の感想です(いわゆる「書評」とは少し趣が異なりますので、ご了承下さい)。
「この職場で働くのが嫌なのであれば辞めてもいい。君は特別な経験をした。社会に対して訴えたいこともあるだろう。
でも、君は社会人として発言していってくれ。
労働も納税もしない人間が社会に訴えても、それはただの負け犬の遠吠えだ。
君は、社会人たりなさい。」
なんて温かい、そして、立派な言葉でしょうか。
教育もそうです。
「伝えたい」はたんなるワガママなんです。
「伝わる」という事実があって初めて、自らの教育理念が広がります。
すべてのものを放棄して、教育理念を伝える活動を全国中に行っているが、費用面で支えているのは昼夜を惜しんで働いている身内の人間ー
そんな人間からは、やはり伝わってくるものはありません。
社会において「フツウ」のこと~ここで言えば「労働」や「納税」をすること~をして、その上でフツウ以上のことをして初めて、「伝わる」ものがありますよね。
そういう現実を伝えた、厳しいようでとても温かいこの上司の言葉、「人間愛」がないとまず口から出てきません。
ましてや、それを実行した本村氏。その勇気と、その正義感と…
本村氏の軌跡を通じて、心に染み入る「愛」を感じるー
人間の魂を揺さぶり、その結果、社会を温かくしてくれる書籍だと思います。
『なぜ君は絶望と闘えたのか』本村洋の3300日(門田隆将/新潮社)
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