予防線を張るメッセージ

2008.07.26

経営・マネジメント

予防線を張るメッセージ

泉本 行志
株式会社アウトブレイン 代表取締役

相手の行動・行為が自分にとって問題がある場合、相手にそれをやめてもらう必要があります。その際、相手を批判したり、評価するのではなく、相手の行動・行為で、私はこう困っていると伝えることが、問題を解消するための、適切なメッセージです。

私自身もリーダーの立場になったときから、自分の価値基準というか、自分のチームではこうあって欲しいいうことをさりげなく宣言するようにしています。 メンバーに自分の価値観を押し付けるわけではないですが、「少なくともこのチーム内においては、こういうことはして欲しくない」という予防線を張る意味でも、メッセージを送るようにしています。

ちなみに私の場合は、大きく3つのメッセージがあります。
 
(Be Responsible): 自分の担当は責任をもってやり抜くこと。進捗ミーティングでは、
「やってません!」はご法度。引き受けた仕事は、他人に協力をお願いしても、自分でやり遂げる。
(Be Productive): 他人のヤル気を高めることも仕事のうち。非生産的な発言、他人の悪口を口に出さない。他人を批判することで、自分の優位性を主張する奴は、ダサいし評価しない。周りのメンバーのやる気を掻き立てて、サポートしてあげるのが正しい姿勢で評価する。
(Be Proactive): 情報は常に率先してシェアすること。自分で抱え込まない。問題に気付いたらすぐに報告し行動する。悪い内容でも誰からも批判されない(②より)。 早めに心配ごとは開示して、みんなで考える・サポートし合う。

こういった内容を、ことあるごとに、手を変え品を変え、言い方を変えてさりげなく繰り返し発信しています。

自分の価値基準やどうして欲しいかを常日ごろから言うこともせず、事後的に突然文句を言い出すリーダーは、自分の考えをメンバーが察しているはずと想定しているのでしょうが、それは、甘えというか怠慢だと思います。 リーダーとしての「望むこと」「望まないこと」を事前に発信し、チームの形成にコミットすること。
問題が起こる前に日ごろから「予防線の【Iメッセージ】」を送り続けることは、リーダーの不可欠なタスクであると思います。

<関連書籍>

* 上司の心理学―部下の心をつかみ、能力を高める (衛藤信之 氏著)

* モチベーション やる気を引き出す20のポイント (林恭弘 氏著)

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