日本はマスマーケティングが効かない社会となりつつある。求められるのは「マス」から「One to One」への転換だ。そのためのCRMソリューション分野で高いシェアを誇り、業界を牽引するシナジーマーケティング社の極めて独創的なマーケティング戦略に迫る。
「これだけの価格で、こんなにたくさんの機能を使えるのか、と驚いてもらえることが多いです。相手が比較的大きな企業様だと、情報システムと言えば、それなりのお金をかけて作ってもらうという意識があります。だからASPです、と切り出した瞬間に、大したことないやろと勘違いされがちなんですね」
ところが、『Synergy!』が実装している機能をこと細かく聞いていくうち一様に反応が変わってくるのだ。
「『Synergy!』で実現できること、さらに利用実績を見ていただくと、今度は本当にそれだけのことをその価格でできるのか、と逆に確かめられたりもします」
提供価値と対価のバランスの妙である。では『Synergy!』は意図的に価格を低く設定しているのだろうか。
「プライスリーダーシップ戦略は採りません。成長過程にある市場をプライスで攻めていくと、マーケット自体をシュリンクさせてしまいかねませんから。自信を持って提供できる価値を提示し、それに見合った対価をいただいてこそ、マーケットは健全に伸びていくんじゃないでしょうか」
とはいえ『Synergy!』は、その機能(価値)と価格のバランスを考えれば、十分に強い競争力を持っている。では、シナジーマーケティング社にとっての今後の課題は何だろうか。
「とにかく数を取ることですね。契約社数をいかに伸ばしていくか。ようやくある程度、顧客基盤が固まってきましたから、これからは代理店さんとも積極的に提携を進めていこうと考えています」
時間を買う戦略である。CRMマーケットの中で『Synergy!』がデファクトのポジションを固めるためには、導入社数が決め手となる。すでにシェアはトップに届いている。しかし、それでは不十分なのだ。同社が目指すのはダントツのトップである。
「CRMを導入するなら『Synergy!』だねって、言ってもらえるようになれば、次の展開も考えられると思うんです。その時こそ『Synergy!』ならではのデータ構造を活かす仕掛けができるはずです」
次世代のマーケティング手法となるCRMを抑え、さらには顧客データを網羅的に抑えつつあるシナジーマーケティング社はこの先、CRMマーケットが成長するに連れて圧倒的なポジションを獲得する可能性を秘めている。
「我々が考えているのは国内マーケットだけではありません。すでに今日本を追っかけている国がありますよね。そこでも、社会構造の変化は日本と同じように起こるはず。チャンスは、大きいと見ています」
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FMO第11弾【シナジーマーケティング株式会社】
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2008.07.01