1997年の営業開始から、わずか6年で日本一の評価を獲得した 「ザ・リッツ・カールトン大阪」。 日本進出10年目の今年(2007年)春には、 東京ミッドタウン内に「ザ・リッツ・カールトン東京」を開業。
驚くほど短い月日で優れたサービスとブランドを確立した
リッツ・カールトンは、1室6万円強~の高級ホテルながら、
伝統や格式以上に、「革新」を重んじる企業カルチャーを
持っています。
そして、ホテル業界人からは、「邪道」と非難されるような
斬新なサービスを次々と打ち出してきています。
・20万円のオムレツ
・180万円のカクテル
・1億円の結婚式
いずれも、コンセプトとネーミングの妙ですね。
20万円のオムレツでは、バイオリンの生演奏をバックに、
料理長が作った3種類のオムレツを、ソムリエが選んだ
シャンパンと共に楽しむ。
そして、メートルディー(レストランを統括するヘッド
ウェイター)が、グラスの持ち方などテーブルマナーの
特別レクチャーをしてくれます。
また、180万円のカクテルの底には、
1.06カラットのダイヤモンドが沈んでいます。
この値段には、世界中のブルガリのどの店舗でも、
ダイヤを指輪にしてしてもらえる加工賃が含まれているそうです。
「金はあるから、ワクワクできる楽しい体験をさせて!」
と願う富裕層のニーズに見事に応えていると思います。
実は、リッツ・カールトンには、
こうした業界の常識を覆すサービスを生み出し続ける
「遺伝子」
が埋め込まれています。
その遺伝子の源は、ホテル王と呼ばれた
「セザール・リッツ」。
パリの「ホテル・リッツ」の創業者です。
セザール・リッツ氏こそ、
19世紀末当時の業界の常識に全く縛られることなく、
顧客の視点でホテルのサービスの革新を行った人でした。
たとえば、今から100年ほど前のホテルでは、
シャワールームは部屋と別のところに設置してありました。
つまり、他の宿泊客と共用だったわけです。
(日本の温泉旅館の大浴場とまあ同じ感じですかね)
しかし、リッツ氏は、宿泊客が部屋を出るときに
いちいち着替えるのは面倒だろうと、
全部屋にシャワールームを設置することにしました。
この設計だと、共用のシャワールームと比較して、
莫大な建設費用がかかります。
業界人の常識は、立派な造りの共用のシャワールームが
あれば十分じゃないか、というもの。
でも、リッツ氏はそんな業界人の声を無視して、
全室シャワーを備えたホテル・リッツを開業し、
人気を博すのです。
また、当時のホテル内レストランは、
お仕着せのコースメニューしかありませんでした。
コースメニューは、その日の食材に合わせて組み立てることが
できるので、ホテル側としては無駄が抑えられ効率的です。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2008.03.16
2008.03.26
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。