大分県での教員採用をめぐる汚職事件が、世間を賑わせている。まったく情けない話だが、ここでは、この事件の詳細にはふれない。私が、ここで問いたいのは教師という職業に関して、以前とは全く違う職業観になってしまったことを、読者とともに考えたいからだ。
二人にあるのは、教師という職は、給料を得て、生活を支えるだけのものという認識である。この認識は、収賄容疑で逮捕された教育委員会幹部にも当てはまる。
教師なんて、大した存在じゃないから、ちょっとぐらい採用試験で、手心を加えても、職業倫理に触れないと思っていたのだ。児童・生徒のために教師になるということではなく、自分のために教師になるという認識が、この事件に関与した者のベースにはある。つまり、教師という職業は、子ども達のためではなく、自分のためになるものという考えだ。
今回の事件から、日本の教育を司る人たちの意識が、垣間見えてくる。こんな職業観では、日本の教育は、良くなるわけがない。教師という職が人を指導するものである以上、常に、「自分はどうなんだ!」という自己言及的な批判が付きまとうのが本道なのだ。
この視点を忘れて、教師になったとしても、教師と言う職業は、全うされはしない。大分県だけではなく、他県の教育委員会も文科省も襟を正してほしいところだ。
合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツの
ホームページ●http://www.management-brain.co.jp/
ブログ●http://blog.management-brain.co.jp/
から著者が発行するメルマガのバックナンバーを読むことができます
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2008.07.19
2008.07.29
合資会社 マネジメント・ブレイン・アソシエイツ 代表
1961年、神奈川県横浜市生まれ。 現在、合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ代表。 NPO法人 ピースコミュニケーション研究所理事長。