昨日、サンクスのたこ焼きのまずさに腹を立て、 同社お客さま相談室にクレームのメッセージを 送ったことを書きました。
年を重ねるごとに減っていくでしょうし、
例外として受けつけても、収益に与える影響は
軽微なものでしょう。
むしろ、善意の消費者の要求を杓子定規に拒否することに
よって、ブランドイメージや評判を低下させてしまうこと
を回避すべきだったのではないでしょうか?
そういえば、クレーマー対策のプロフェッショナル、
『となりのクレーマー』
などの著者、関根眞一氏が以前テレビに出演された際、
次のようなケースにどのように対応すべきかを話されていたのを
思い出しました。(詳細はうろ覚えなので、
多少状況が違うのですが、問題の本質は同じです)
靴を脱いで上がるタイプの某飲食店で、
お客さんの靴が紛失してしまいました。
誰かが間違えて履いていったらしいのです。
お客さんは困っています。
どうにかしてくれと店員に泣きついています。
さて、店舗側としてはどのように対応すべきでしょうか。
「自分のお持ち物はご自分で管理なさってください」
と断り書きさせていただいております。
うちとしては責任取れません。
とつっぱねてもOKでしょう。
お客さんも、こう言われたら、
それ以上文句は言えないと思います。
しかし、関根さんの答えは、
「お客さんにお金を渡して靴を買ってもらう」
というものでした。
これは、クレーム鎮火のために、
てっとり早くお金でケリをつけようとしている
のではありません。
むしろ、
「宣伝費」
なのです。
なぜなら、店の責任でもないのに、
靴代を渡してくれたお客さんは大感激しますよね。
おそらく、この店のファンとなり足繁く通ってくれる
ことでしょう。また、「あの店はいいよ」と
口コミしてくれるでしょう。
その結果、靴代なんて簡単に回収できてしまうから、
「宣伝費」
とみなすことができるのです。
クレーム対策として、
このような発想ができる会社はおそらく、
高い評判と多くの固定客を抱えているんじゃないでしょうか。
*蛇足ながら、最後の例で「お金を渡す」というのは、
そもそも企業側に実質的な責任がない場合において有効なので
あって、 企業側に責任があるとお客さんが感じている場合は、
原則としてお金で解決すべきでないことを強調しておきます。
大事なのは、クレームを言ってきた方に悪意があるかないかを
見極めることです。
(参考書籍)
『となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術』
(関根眞一著、中公新書ラクレ)
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『「苦情」対応力 「お客の声は宝の山」』
(関根眞一著、講談社)
→アマゾンはこちらから
『苦情学―クレームは顧客からの大切なプレゼント 』
(関根眞一著、恒文社)
→アマゾンはこちらから
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2020.01.31
2020.05.07
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。