8️⃣AI時代を読み解くキーワード⑧ AI Orchestration──AIを増やすだけでは、会社は動かない

2026.10.04

IT・WEB

8️⃣AI時代を読み解くキーワード⑧ AI Orchestration──AIを増やすだけでは、会社は動かない

富士 翔大郎
人材育成コンサルタント、シニアインストラクター

AI時代を読み解くキーワード⑧ AI Orchestration AIを増やすだけでは、会社は動かない――複数のAIを「ひとつの仕事」にまとめる指揮者

それらをどう動かし、どう仕事を完成させるか

までを設計します。

誰が最初に動くのか。

次は誰に渡すのか。

失敗したらどうするのか。

意見が違ったらどうするのか。

どこで人間へ確認するのか。

最終的に誰がまとめるのか。

こうしたルールまで含めてオーケストレーションです。

AIの動かし方にも「型」がある

代表的なのは次のような方法です。

①順番に動かす

調査AI→分析AI→文章作成AI→確認AIというように、前工程の結果を次へ渡します。

②同時に動かす

市場分析、競合分析、顧客分析、技術分析を同時に行い、最後に統合します。

③専門AIへ引き継ぐ

問い合わせ内容を判断し、請求なら経理AI、故障なら技術AI、契約なら法務AIへ渡します。

④複数AIで検討する

成長性、財務、法務、市場など、異なる視点から検討します。

⑤管理AIが指揮する

AIが全体計画を立て、専門AIへ仕事を割り振り、進捗を確認して結果をまとめます。

人間のプロジェクトマネジャーに近い仕組みです。

何でも複数AIにすればよいわけではない

ここは重要です。

文章の要約、メール作成、議事録作成など、単純な仕事なら一つのAIで十分です。

AIを増やせば、

  • コスト
  • 処理時間
  • システムの複雑さ
  • エラー箇所
  • 管理負担
  • セキュリティーリスク

も増えます。

つまり、

複雑にできることと、複雑にすべきことは違う。

AI OrchestrationとはAIを増やす技術ではなく、

必要なAIだけを適切に組み合わせる技術

なのです。

Agentic AIとの関係

第2回で紹介したAgentic AIは、目的を与えられると、自ら計画してツールを使いながら仕事を進めるAIでした。

AI Orchestrationは、そのAgentic AIを企業で使うための仕組みとも言えます。

例えば、

メール担当AI。

会計担当AI。

顧客情報担当AI。

法務担当AI。

それぞれに必要最小限の権限を与え、必要なときだけオーケストレーターが呼び出します。

つまり、

Agentic AIが「仕事をする担当者」なら、AI Orchestrationは「担当者を束ねる仕事の仕組み」

です。

さらに、Multimodal AI、Digital Twin、Physical AIなども、企業で実際の業務につなげる段階ではオーケストレーションが必要になります。

RPAや従来のワークフローと何が違うのか

従来のRPAやワークフローは、

「Aが終わったらB」

「100万円以上なら部長承認」

といったルールを事前に決めていました。

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富士 翔大郎

人材育成コンサルタント、シニアインストラクター

● 人材育成、DX・IT、コンサル、マーケの経験を踏まえて、人材教育の新たなアプローチを探求中 明大法なのに齋藤孝ゼミ🤣 教免3種ホルダー イノベーション融合学会専務理事 教育研究家、モノカキの時は、「富士 翔大郎」と言います。天才トム・ショルツの「BOSTON」と「マニュアル車」「海外ドラマ」をこよなく愛する静岡県民

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