思考格差 ――「知的である」という意味

2026.10.13

組織・人材

思考格差 ――「知的である」という意味

齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

これからの社会で広がっていく格差は、所得格差でも、学歴格差でも、情報格差でもないのかもしれない。 私は最近、もっと根源的な格差が生まれ始めているように感じている。 思考格差である。

やがて思考格差は、仕事の格差になる

これは哲学の話だけではない。

World Economic Forumの『Future of Jobs Report 2025』では、世界1,000社以上、約1,400万人の労働者を代表する企業調査をもとに、2030年までに現在の労働者が持つスキルの39%が変化、あるいは陳腐化すると予測している。

そして2025年時点で企業が最も重要視しているコアスキルは、AIそのものではない。

分析的思考である。

約7割の企業が重要なコアスキルと位置づけている。さらに今後は、創造的思考、好奇心と生涯学習、システム思考、自己認識なども重要性を増すと予測されている。

考えてみれば当然である。

AIが「答える能力」を持つようになれば、人間の価値は「答えを持っていること」だけでは決まらなくなる。

何を問うのか。

何を優先するのか。

矛盾した情報から何を読み取るのか。

異なる立場をどう統合するのか。

そして最後に、何を選択するのか。

こちらへ価値が移動する。

ここで、思考格差は経済格差に転換され始めるだろう。

与えられた仕事を正確に処理する人と、そもそも何をすべきかを考えられる人。

AIの出力を使う人と、AIを監督できる人。

選択肢から答えを選ぶ人と、新しい選択肢そのものを生み出す人。

企業が後者により大きな裁量と責任と報酬を与えるのは、ある意味では自然である。

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齋藤 秀樹

株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。

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