コンセプチュアル思考の基本スキル[1]~定義化

2026.08.15

仕事術

コンセプチュアル思考の基本スキル[1]~定義化

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

コンセプチュアル思考の基本スキルとして磨きたい1番目は「定義化」です。定義とは「●●とは□□である」と簡潔に言葉で表すこと。その作業に実際じっくり取り組んでみると、とてもむずかしいことに気づきます。しかしこの定義という作業に取り組むことにより、物事のおおもとにまなざしを向けることを学び、本質をつかもうとする思考態度が身につきます。

基本スキル[1]定義化 ~物事の本質をつかみ表す

コンセプチュアル思考の基本スキルとして磨きたい1番目は「定義化」です。定義とは「●●とは□□である」と簡潔に言葉で表すこと。その作業に実際じっくり取り組んでみると、とてもむずかしいことに気づきます。しかしこの定義という作業に取り組むことにより、物事のおおもとにまなざしを向けることを学び、本質をつかもうとする思考態度が身につきます。そして自分の言葉で凝縮して表現しようとアタマの汗をかきます。

定義を行う際の中核になる作業は抽象です。抽象の本筋の意味は「引き抜く」。物事から何を本質として引き抜いてくるか。ここが概念的に考える力の基礎になります。

言葉の定義なら辞書を見ればすぐそこに答えが出ているではないかと思われるかもしれません。しかし辞書が示すような客観的定義ではなく、自分自身の本質をみる目と、独自の言葉で主観的定義をする力こそが重要です。

ではここで、私が研修・ワークショップの場でやっている「定義化」ワークを紹介しましょう。定義する概念は「仕事」です。ワーク概要とワークシート、記入例は下のとおりです。

[ワーク概要]

1)これまで自分(あるいは他者)が行ってきた仕事/業務/職業についての体験・
 出来事・見聞などを思い浮かべてください。
2)「仕事とは何か」「仕事についての解釈」を自分なりの言葉で表してください。
 (できるだけ端的な表現で)
3)その定義をふまえ、仕事とはどういうものであるかを図や絵で表してください。
4)自分が行う仕事を持続的に進化・深化させていくための行動習慣としてどのよう
 なことが考えられるでしょう。 


さて、このワークに対し、実際のワークショップではどんな答えが出てくるでしょう。下に紹介するのは、私の主宰する「概念工作塾」で受講者たちが出してくれた答案の一例です。


このワークの設計意図を紹介しておきましょう。下図のとおり、作業1→作業2→作業3→作業4の一連の流れを私は「π(パイ)の字思考プロセス」と名づけています。



「πの字思考プロセス」は、抽象化→概念化→具体化の流れになります。流れの起点は、日々の生活のなかの雑多な経験や出来事を見つめること。そこから本質を引き抜いて、言葉で定義します。さらには絵図で描いて、肚に落とします。この過程を通じ、概念が明瞭に強く形成されます。そして最後に、つかんだ概念を抽象次元で終わらせないよう行動・実践に変え、具体次元に下りていく。

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村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

キャリア・ポートレート コンサルティング代表。組織・人事コンサルタント、概念工作家、『源流の森ブックス』編集発行人。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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