「いつでも、どこでででも買えるのなら、 一番安い時に一番安い場所で買いたい・・・」 ほとんどの方はこう思ってますよね?
以前から繰り返し申し上げているように、
上記のことが実際に可能になったのがネット時代の今ですね。
ダイレクトメールや通販カタログ、テレビ通販等を見た時の
私たちの反応として、
「おっ・・・この商品良いなあ、安いなあ。
でも他でも扱っているかもしれないし、もっと安いところが
あるかもしれない。ネット検索して調べてみよう!」
となる新しい購買行動プロセスが定着したため、
「宣伝文句につられて思わず買っちゃった・・・」
という衝動買いは確実に減っているでしょう。
このため、なんらかの形、すなわち、
この場所でしか、あるいは一定数しか買えないなど、
「限定品」
であることを前面に打ち出し、
「今すぐの購入」
を促すことがますます必要になってきていますね。
さて、日経MJ(2008/4/23)に掲載された消費分析では、
「限定品」
に弱い層はどんな人たちかが明らかにされています。
どんな人たちかというと、
・自分がどう行動したらよいかは自分で判断できる
といった考えや、他人に束縛されることを嫌う傾向の
強い、ひとことで言えば「独立心」旺盛な人でかつ、
・人の助言は押し付けがましいと思いつつも、
目立たないようにふるまい、周りの人の意見に合わせる
こともできる女性
なのだそうです。
独立心は持ちつつも、
うまく周囲と合わせることができるということですから、
「バランス感覚に優れた女性」
と言えるでしょうか。
「限定品」は、
今しか買えないといった制約があります。
このため、あれこれ人の意見も聞く余裕はなく、
即決しなければなりません。
この点で、人の押し付けを嫌い、
自分の意思で決めることを好む
「独立心の強い人」
に限定品が買われやすいと考えることができそうです。
ただ、「周囲との同調傾向」が強い人に限定品が買われやすい
という点については、関係性がちょっとわかりにくいですね。
ひょっとしたら、そもそも独立心が高いにも関わらず、
円滑な社会生活を送るために‘無理して’周囲に合わせていること
の反動かもしれません。
自分以外に持っている人が少ないことが明らかな
「限定品」
を買い求めることで、
心のバランスを取り戻しているという意味です。
また、女性のほうが、男性より「限定品」に
弱いというのは経験的にもうなずける点ですよね。
一般に男性は、
様々な商品を十分に比較検討、吟味することは面倒で、
「いつも買ってるやつでいいよ」
となりがちですから。
冒頭、ネット検索で
比較検討がしやすくなった現代においては、
「限定品」
が「今すぐの購入」を促すために必要だと申し上げましたが、
誰にでも効くというわけではない点を留意しておくべきでしょう。
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2011.02.01
2015.07.10
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。