自分の肌に最適なスキンケア製品を使いたい――。 多くの女性の願いを、サイエンスの力で叶える世界初のサービスが誕生した。「MeLupe」は市販されているスキンケア製品の機能性を、人工皮膚を使って科学的に評価する。一方で、ユーザーの肌状態を画像解析し、その結果に基づいて肌の改善に最適なスキンケア製品を教えてくれる。ユーザーに提供する情報の中立性を確保するために、メーカーからの広告費やアフィリエイト収入などは一切受け取らない。革新的サービス「MeLupe」は、どのようなビジネスモデルなのか。 株式会社ミルーペ、代表取締役の中峯良介氏に聞いた。

―画像解析だけ、つまり実際の肌には触れてもいないのに、なぜ肌の状態を正確に分析できるのですか。
中峯氏:肌の状態は、光の反射状況と細部の凸凹状況によって解析できます。たとえば毛穴は凸凹パターンで明らかになり、シミやくすみなどは色味の偏りとなります。シワがあれば一定方向に線状の陰影模様となり、乾燥気味の肌なら表面で乱反射を起こすといった具合です。これらはスマホカメラの解像度であれば、ある程度正確に把握できます。このデータに加えて、研究者や皮膚科医などが評価したラベル付きの肌画像データを大量に学習させたAIを活用するのです。その結果、画像の特徴を学習したAIは、実際の画像を見て肌状態を推定できるようになります。
―つまり、一方ではユーザーの肌の状態をAIによって解析しておき、もう一方ではその肌に最適なスキンケア製品を推奨する、これがMeLupeが提供するユーザーメリットというわけですね。
中峯氏:たとえばあるユーザーは診断結果により、保湿の必要度が高かったとします。するとスキンケア製品リストの中から、保湿に関して高いスコアと評価されたものが、いくつか推奨されます。その評価結果を見ながら、どれを選ぶのかを決めればよいのです。その際には、単にユーザーの肌解析情報と製品の分析情報というデータ要素に加えて、ユーザーの好みも反映しながら選択できるシステムとなっています。たとえば「肌のカサつきがきになる」という悩みを抱えていて「キメの整った滑らかな肌にしたい」という望みを持っている方には、それに適した製品がいくつか推奨されます。

ユーザーの肌の状態と製品の相性もひと目でわかるよう工夫されている。
―とはいえスキンケア製品は膨大な数が市販されているはずです。それらすべてを網羅的に解析してデータ化するのは、大変ではないでしょうか。
中峯氏:確かに、ですから当社で設定する一定水準以上の製品、それも中価格帯の製品に絞り込んで解析を行っています。2026年初頭にサービスをローンチする段階では、まず200アイテム、そこから増やしていって常時1000アイテムを掲載する予定です。
※2:パーフェクト株式会社
AI・AR技術による肌解析ソリューションを展開するグローバル企業。
MeLupeの肌診断機能には同社のAI画像解析技術を採用し、スマートフォンカメラでの高精度な肌分析を実現してる。
■情報の中立性を確保するために選んだビジネスモデル
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2009.11.12
2014.09.01