自分の肌に最適なスキンケア製品を使いたい――。 多くの女性の願いを、サイエンスの力で叶える世界初のサービスが誕生した。「MeLupe」は市販されているスキンケア製品の機能性を、人工皮膚を使って科学的に評価する。一方で、ユーザーの肌状態を画像解析し、その結果に基づいて肌の改善に最適なスキンケア製品を教えてくれる。ユーザーに提供する情報の中立性を確保するために、メーカーからの広告費やアフィリエイト収入などは一切受け取らない。革新的サービス「MeLupe」は、どのようなビジネスモデルなのか。 株式会社ミルーペ、代表取締役の中峯良介氏に聞いた。
■スキンケアの製品選びに関する現状の問題
―MeLupeのビジネスモデルは、現状の問題解決からスタートしたと聞いています。スキンケア製品を取り巻く状況には、どのような問題があったのでしょうか。
中峯氏:要するに、ほとんどの女性が「自分の肌にとって最適なスキンケア製品を理解できない」問題です。その第一の理由は化粧品については薬機法の規制があるため、その効能や効果について許される表現が限られているからです。具体的には「シワが消える」などは誇張表現とされて、一発でアウトです。許されている表現はきめ細かく決められているため、56の効果しか表せないのです。もう一点、多くの女性が自らの肌の状態を感覚的にしか理解できていない点も問題です。
―たとえば肌について薬機法では、どのような表現を使えるのですか。
中峯氏:皮膚を清浄にする、肌を整える、皮膚をすこやかに保つなど、皮膚関連では21の表現が示されています。ただ、ある製品について「皮膚にうるおいを与える」と表示されていても、女性の肌の状態は千差万別です。このように表現されている製品だからといって、自分が求めている「うるおい」を得られるかどうかはわかりません。
―それでも各製品には成分表示がされているのだから、そこからもヒントを得られるのでは?
中峯氏:たとえばA社の化粧水とB社の化粧水の成分表示を細かく見比べれば、成分に違いのあることはわかります。しかし化学関係の研究者ならともかく、一般の方が成分の微妙な違いがもたらす効果効能の違いを理解するのは不可能でしょう。また仮に同じ成分を使っているとしても、原料メーカーが異なれば効果効能には微妙な違いが出てきます。そもそもAさんとBさんが同じ化粧水を使ったとしても、それぞれ肌の状態が違うのだから、その結果は変わってきます。
―それが実態だとすれば、女性はスキンケア製品をどのように選んでいるのでしょうか。
中峯氏:まず頼りにされているのが、百貨店などの化粧品売り場にいるビューティーアドバイザーのアドバイスです。アドバイザーは実際に肌の状態を見て、適した製品を勧めてくれます。もちろん推薦してくれる製品は、所属する化粧品メーカーの製品ラインナップの中からという制限付きですが。選ぶ方も当然そこは理解しているので、ビューティーアドバイザーをハシゴしながら比較して決める女性もいるようです。もう一点は、口コミサイトやSNSなどの評価に頼るケースです。確かにユーザーから寄せられるリアルな主観的評価は、製品選びの大切な手がかりとなります。ただ一方では、科学的・客観的な情報は、これまでのところ世の中には一切ありませんでした。
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2009.11.12
2014.09.01