近代的な調達購買にとって、3つのマネジメントの連携は非常に重要です。 3つのマネジメントとは、1.カテゴリーマネジメント、2.ユーザーマネジメント、3.サプライヤマネジメントの3つです。
私の講演や研修、コンサルティングの現場などでも、よく話していることですが、近代的な調達購買にとって、3つのマネジメントの連携は非常に重要です。
3つのマネジメントとは、1.カテゴリーマネジメント、2.ユーザーマネジメント、3.サプライヤマネジメントの3つです。
(以下、あくまでも私個人での見解であり、一般化された手法ではありませんことをご留意ください。)
1のカテゴリーマネジメントは、企業が調達購買活動をカテゴリー毎に管理するプロセスです。カテゴリーとは、樹脂成形品、プレス部品、焼結部品、ITなどの購買品種や業種のことです。特定のカテゴリー(品種やサービス)にカテゴリー戦略の策定や、サプライヤーの選定と管理、価格交渉、リスク管理、調達プロセスの改善などを進めていくマネジメント手法になります。目的は、カテゴリーごとの最適な戦略を策定し、効率的な調達プロセスを実現し、対象カテゴリーの購買品のQCDの最適化を図ることです。
カテゴリーマネジメントは、従来はQCDの中でもC(コスト)にフォーカスすることが多く、コスト削減戦略とも言われてきました。カテゴリー毎にコスト削減戦略を策定し、都度案件
毎ではなく、年間の契約や全社の契約をまとめてソーシング(サプライヤ、価格の決定)することで、メリットを引き出すことが主眼とされていたのです。またこのようなコスト削減の進め方を戦略ソーシングと言っていました。
カテゴリーマネジメントは欧米では、ごく当たり前な概念です。日本でも会社によっては当たり前の手法となっています。しかし、日本では、まだカテゴリーマネジメント、カテゴリー
戦略か定着していない企業も少なくありません。一方で、最近は、コストだけにフォーカスするだけでなく、供給戦略やBCP戦略も重要視され始めており、カテゴリー戦略策定の目的も、従来からやや変わってきているように感じます。
2のユーザーマネジメントですが、これは、調達購買を行う企業内の利用者や関係者との関係をマネジメントする手法です。ユーザーとのコミュニケーションにより、ニーズを把握し、仕様の提案やサプライヤの標準品などの提案を行ったり、最適なサプライヤの紹介や、新しい技術の情報提供を行い、QCDの最適化につなげ、最終的には自社製品・サービスの競争力の強化につなげることが目的となります。
ユーザーマネジメントは一部の業種や企業では、VE活動、原価企画とか、開発購買と呼ばれ、日本企業では結構以前から取組みが進んできました。何故なら、大きなコスト削減を実現するためには、仕様や設計が固まってしまう前の、開発上流段階での検討や関与が必須であり、コスト競争力でグローバルで競争優位を持っていた多くの日本企業にとっては、欠かせない取組みだったからです。しかし、開発購買活動には課題もあり、多くの企業がその取組み方法に悩んでいます。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。