/立案だけは立派だが、実行は遅れに遅れ、どんどん先延ばしになって、最後は箸にも棒にもかからないチンケなやっつけ仕事で茶を濁す。そして、その後は、すてきなオアシスだ。おれじゃない、あいつが悪い、証拠があるか、済んだこと。それも、まさにほんの数年前にも見た情景なのに、懲りずにまた繰り返そうとしている。/
十年ほど前から、日本を成功に導いたPDCAも、いまや Plan-Delay-Carryover-Absurdity (計画・遅滞・延期・茶番)などと揶揄されている。立案だけは立派だが、実行は遅れに遅れ、どんどん先延ばしになって、最後は箸にも棒にもかからないチンケなやっつけ仕事で茶を濁す。そして、その後は、すてきなオアシスだ。おれじゃない、あいつが悪い、証拠があるか、済んだこと。それも、まさにほんの数年前にも見た情景なのに、懲りずにまた繰り返そうとしている。
いったいだれが、こんな狭い島国の中の「老土人たち」のゴタゴタに、わざわざ頭を突っ込むだろうか。外国はもちろん、国内の業者ですら、こんなのに関わったら火の粉がかかって丸焼けになる、と逃げて回っている。そして、こんな慢心にかまけていたら、いずれ大きな事故災害を引き起こす。だが、庶民にできるのは、せいぜい話に近寄らないことだけなのか。
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2009.11.12
2014.09.01
大阪芸術大学 哲学教授
美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。