最近、タイパという言葉をよく耳にするようになりました。 お金と時間という、私たちに最も身近な存在であり、最大の資産であり、日々の行動に直結する話です。年末年始や年度の変わりは、自分の考える「コスパ」「タイパ」について整理してみるのもいい機会です。
最近、タイパという言葉をよく耳にするようになりました。タイム・パフォーマンスの略なのですが、これまで「コスパ(コスト・パフォーマンス)」という言葉はよく使われていました。「この料理はコスパが良い」と言えば、コスト以上に価値があるということで、逆にコスパが悪いとは、価格に見合っていないということになります。
そういう意味で、タイパを定義すると、「かけた時間以上に価値があるかどうか」あるいは「時間の節約になるかどうか」ということになります。もっともわかりやすいサービスで例えれば、2022年5月にはじまった、東京ディズニーランドとディズニーシーの有料のファストパス「ディズニー・プレミアアクセス」でしょう。少ない待ち時間で優先的に乗れるわけですから、「あなたの時間に値段がついた」商品と言えるかもしれません。
逆に、1円でも安い商品に時間をかけて探し回るような行動は、コスパを追求したものであり、とにかく、自分の時間の価値についてはどこかに置いておく、という感覚です。
また、限られたランチ時間であるにもかかわらず、行列の中でじっと待っている人たちもたくさんいます(やむを得ず待つ人もいますが)。これは、自分の時間の価値を削ってでもおいしいものを食べたいという価値観の問題と言えるかもしれません。
コスパとタイパは捉え方の違い
コスパとタイパの違いは、捉え方の違いでもあります。例えば、2,000円の本を読んでつまらなければ、「2,000円の価値がない」と思うのでコスト・パフォーマンスが悪いということであり、また、「内容が乏しく、読んだ3時間が無駄だった」と感じれば、タイム・パフォーマンスが悪いということになります。
コスパとタイパは、相対する考えのようにも見えますが、モノの価値と自分の時間の価値を相対的に判断するという意味では、同じような考え方であり、どちらを重視するのかという判断基準の問題です。
コスパを追求しすぎれば、タイパは悪くなる傾向があり、タイパを追求するあまり、モノの価値を見誤ることもあるでしょう。コストにしろ、時間にしろ、要は取り組むことに価値があるかどうかということです。
これまでも、よくビジネスの領域で、「ミーティングは30分以内に終わらせる」「移動はタクシーを使う」など、「時間をお金で買う」ことの重要性が問われてきました。自分の限られた時間を大切に使えということなのでしょう。
ビジネスで「タイム・パフォーマンス」が高いというのは、短い時間で高い成果を出している、あるいは成果を得られるということになります。
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