セルフ・マネジメントとは、自分の思考や行動を管理することですが、ビジネス・パーソンに最終的に求められていることは、適切な成果物を「期間」「予算」「リソース」を守って出すことです。 つまり、どれだけ綿密な計画を立て、計画通りに行動したとしても、結果が出なければ、それはセルフ・マネジメントがうまくいったとは言えないのです。
ビジネス・パーソンに求められているのは成果
セルフ・マネジメントとは、自分の思考や行動を管理することですが、ビジネス・パーソンに最終的に求められていることは、適切な成果物を「期間」「予算」「リソース」を守って出すことです。
つまり、どれだけ綿密な計画を立て、計画通りに行動したとしても、結果が出なければ、それはセルフ・マネジメントがうまくいったとは言えないのです。自分の信じた計画や行動が成果に表れなければ、評価されることはありません。
これは多くのビジネス・パーソンが陥ることではないでしょうか。人は自分の描いた戦略や戦術が実は失敗だったとは認めたくないものです。行動したにもかかわらず成果が出ないと、原因を外に向けたくなるものです。
どれだけ戦略や戦術を綿密に策定したとしても失敗することは、日常茶飯事です。「失敗」の可能性が見えたなら、軌道修正をすればいいだけなのですが、往々にして、戦略や戦術に満足すればするほど、成功を信じ、軌道修正をしたくないものです。
プロトタイプをいち早く用意する
成果の秘訣のひとつに、「スピード」が挙げられます。成功する可能性の高い人は、成果物の公開が誰よりも早くスピーディです。戦略や戦術内容が、30%~59%の完成度であったとしても、「プロトタイプ」としてアウトプットします。軌道修正が必要なことは分かったうえで、「プロトタイプ」の案をスピーディに提案します。
案のクオリティはともかく、関係者は、まずその早さを評価します。そして、そのプロトタイプに対して、さまざまな意見を盛り込んでいくわけです。人は何かしらの案がなければ意見や案は出にくいものです。たとえ完成したものが最初のプロトタイプとかけ離れたものであったとしても、結果として完成物への評価が高く、納得しているのであれば何も問題ありません。そしてこの多くの人が納得したのはプロトタイプの段階で多くの意見を取り入れたからにほかなりません。
この「プロトタイプをいち早く提出し修正を加える」というやり方は、一見、セルフ・マネジメントの方法論としては違和感を持つ人もいるかもしれません。どのような修正点が出てくるかわからず、それこそ「計画を立てることができない」状態になるのではないかと思えるからです。
セルフ・マネジメントと聞けば、あたかも入念な計画と実行プランとその計画に忠実な行動を行うべきだと考えがちですが、状況は刻々と変化するものです。計画に縛られるあまり臨機応変な行動がとれずに、十分な成果が得られないということはよくあることです。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2009.10.27
2010.03.20