人に仕事を依頼するときも、自分でやるときもやることは同じです。仕事を自分に依頼しているわけです。共有する必要がないだけで、その仕事の目的、狙い、完成のイメージ、実現したら得られることなどを明らかにしたうえで、仕事に取りかかる必要があります。
次の5つについて明確にしておく必要があります。
・望む成果:何をいつまでに達成するのか、手段ではなく、達成すべき成果について共有する
・ガイドライン:守るべきルール、規則。手段は決めていいとはいえ、なんでもいいということではない。守るべきことを共有する
・リソース:結果を出すために必要な資源、人員、コスト、技術、パートナーなどを共有する
・報告:進捗の報告のタイミング、方法を決めておく
・評価:成果はどのように評価するか、評価後の対応について決めておく
デリゲーションもセルフ・マネジメントも決めるべきことは同じ
もうお分かりだと思います。コヴィー博士は、その人の成長やチーム全体のことを考慮したうえで人に仕事を依頼するときは、これらの5つの事柄を決め、お互いに共有しておくことが重要だと言いますが、これは何も人に仕事を依頼するときに限ったことではありません。
自分でやるときも同じです。仕事を自分に依頼しているわけです。共有する必要がないだけで、この5つの事柄は、当然決めておくべきことです。その仕事の目的、狙い、完成のイメージ、実現したら得られることなどを明らかにしたうえで、仕事に取りかかる必要があります。
ということは、人にまともに仕事を振ることができない人は、自分で行う仕事も同じようにやっているということになります。
むしろ、人に仕事を依頼するときは、丁寧に行うものです。相手から「出来上がりのイメージを教えてください」「評価のポイントは何ですか」「リソースを教えてください」など、聞かれることも多いはずです。特に普段からあまりコミュニケーションがない人との場合は、慎重になるものです。
自分で行う場合は、誰も指摘してきませんし、仕事の報告や評価に対して指摘を受けることもありません。その分、自分に対して甘くなる可能性が高くなります。
コヴィー博士の言う「全面的なデリゲーション」のポイント【望む成果、ガイドライン、リソース、報告、評価】を今一度確認し、自分の仕事に当てはめて考えることは、仕事を組み立てるうえで、とても大切なことです。
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