2008.03.31
中身が薄いサービスの方が効果が高いこともある!?
寺西 隆行
(株)Z会
Z会の教材は、その教材だけで完璧な理解ができるように…という、教材作成者の想いから、 ・内容ずっしり ・解説が詳しい という特徴があります。 これはこれで、一つの大切なスタイルになっています。
◆本投稿記事は、毎日更新中のブログ
http://www.zkaiblog.com/histaff/
の話題を元に、本サイトの読者層に合わせた形で修正しております。
なお、今回話題にする「ケータイ小説」に関して、知人のケータイ小説作家、泉忠司さんが、ケータイ小説運営サイトの社長と激論を交わす講演会を開催しますので、ご興味のある方は是非。
詳細はこちら↓
http://www.nbc-online.org/nbc/oshirase20080411.php
ただ、一方で、完璧を求めすぎるが余り、あれもこれも教材に埋め込んで、
「読みにくくなる」
という場合もあります。
教材作成者としてはもちろん、読みやすいような配慮はしているのですが…一般的な人間って、ほとんどの人が
「うわっ、字が多っ!」
「うわっ、分厚っ!」
って感じただけで、勉強する気がなくなっちゃうんですよね…(僕だってそうです)。
だから、
・内容が薄い、けれども勉強する本人が「勉強する気」になって、少しでも理解が深まった参考書
・内容が濃い、けれども勉強する本人が「勉強する気」が起きなくて、理解が先に進まなかった参考書
を比較すると、前者が後者に「(そのときの)学習効果」としては高くなります。
教材作成者は、そういう側面もあることを知っておくべきでしょうし、
一方で学習する側も、内容の薄さに騙されて!?理解がすごく深まった、と過剰に評価しないケアが必要でしょうね。
※「やる気が起きる参考書」を作るには、「やる気が起きない人をやる気にさせるため(=「わかったつもり」にさせるため)の簡単な内容だけまとめたものを狙う」ということも、狡猾な技巧を凝らせば可能じゃないですかね。
「やる気が起きない人」と言う人は、得てして、自らの努力を放棄している人が多いですから。
同じことが「ケータイ小説」の世界でもあると感じています。
ケータイ小説が書籍になったものとしては、「恋空」「クロスロード」「Deep Love」「もしもキミが。」「赤い糸」などが有名でしょうかね。
これらの本のどれかを購入されたことのある、若い人もいらっしゃるかと思います。
正直、内容は、薄いです。
けれど、それでいいんですよね、愛読者は。
そして、「学習」と違い、読後の満足感さえ得られれば、それでいいわけですから。
本当の意味での文学を知るには、ケータイ小説では不十分だ!という意見もわかりますけれど…
読者は「本当の意味での文学を知る」ことまで求めていない、ってことなんです。
僕自身は字の多い本の方が好きですけど(笑)、内容が薄いのに、いや、内容が薄いからこそ、一大文化を築いた「ケータイ小説」というジャンルは、世の中に一つの「気付き」をアウトプットした、と感じています。
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