タイム・マネジメントとは、自分を導くリーダーシップのこと

2022.07.20

仕事術

タイム・マネジメントとは、自分を導くリーダーシップのこと

フランクリン・ プランナー
フランクリン・プランナー

タイム・マネジメントという言葉には、「マネジメント」と入っているため、何かを管理するというイメージがありますが、タイム・マネジメントの本質は、自分自身をどこに導くのか、自分はどのような姿を目指すのかという、リーダーシップと言っても過言ではありません。

緊急で重要な領域である「第Ⅰ領域」は、「危機」や「問題」「指示・指令」の領域です。 緊急度が高く、重要度も高いため、多忙なビジネス・パーソンは、ほとんどこの領域の仕事に費やすでしょう。自分では重要ではないと思っても、依頼者からすれば緊急で重要度が高いことのほうが多いでしょう。この領域の仕事は問題を解決しますから達成感も大きく、癖になりやすいのも特徴です。ところが、この領域の仕事は心身とも大きなエネルギーを要するため、ストレスも半端なく、やがては疲弊してしまいます。

ですから、タイム・マネジメントの極みはこの領域の問題を解決することだと思う人も少なくありません。しかし、この領域の活動は計画のしようがありません。いかんせん、突然飛び込んできてしまいますから、計画の立てようがないわけです。ですから、この領域に対応するビジネス・スキルは、時間管理能力と言うよりも、瞬間的な判断能力や問題解決能力が求められます。

つまり、極論すれば、緊急事項に対応することとタイム・マネジメントは、そもそも相容れないスキルだと言えるかもしれません。

そこで、緊急ではないものの重要な領域である「第Ⅱ領域」の活動が重視されるわけです。ここの活動は、緊急性がないということですから、自分やチームの将来にとって重要なことです。ビジョンをつくること、そのための計画をつくること、能力開発や人間関係を構築すること、などです。まさにリーダーシップに関する活動だと言えます。

タイム・マネジメントが、自分やチームを導くリーダーシップであると言えるのは、こういう活動を計画することこそが、タイム・マネジメントの真髄であるからです。

この領域の活動に時間をかけることができれば、将来像が明確になり、ビジョンの実現に向けたマイルストーンも見えやすくなります。また、能力開発や準備・計画に関するタスクも多いため、成長や緊急事態を防ぐことにもつながるでしょう。

良いことづくめにも見える「第Ⅱ領域」の活動ですが、現実は簡単ではありません。こうした活動に関しては、誰も「急げ!」と言いませんから、実行するにあたって、十分な準備と決意が必要となります。

さらに、周囲では緊急事態ばかり起きている中で、「私は自分の第Ⅱ領域活動がありますからできません」とは言いづらいものです。実際には、「第Ⅰ領域」の活動をこなしながら、「第Ⅱ領域」の活動を着実にこなすビジネス・スキルが求められます。

まずは、活動全体の10%を「第Ⅱ領域」の活動に充てられるように、1週間単位での計画を立てることから始めてみましょう。

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