「中小企業デジタル化応援隊事業」はDXを推進できるか

2021.05.21

営業・マーケティング

「中小企業デジタル化応援隊事業」はDXを推進できるか

猪口 真
株式会社パトス 代表取締役

「中小企業デジタル化応援隊事業」、第2期というのがはじまるらしい。デジタル化を国からの中小企業へのデジタル化支援というのはこういうことなのだろうか。

以前もあったこの「中小企業デジタル化応援隊事業」、第2期というのがはじまるらしい。

https://digitalization-support.jp/)第1期の成果については知るところではないが制度そのものに違和感があったため、第2期が始まったことにちょっと驚いた。

中小企業のデジタル化を推し進め、ニーズにあった製品やサービスを効率的効果的に提供できるように、ビジネスプロセスを変えることは、絶対に必要であることは間違いない。しかし、デジタル化を国からの中小企業へのデジタル化支援というのはこういうことなのだろうか。

確かにアンケート調査などでも、デジタル化が進まない理由に「人材不足」と「資金不足」を上げる中小企業の経営者は多いため、それも真に受けたのだろう。

実際に、これまでと異なるのは、「ハンズオン支援」というコンセプトだ。その企業の内情を理解したうえでデジタル化を進めるためには、ハンズオンという、人材投入して中小企業の課題を解決するというやり方は、これはいいのではないかと感じた。システムやツールの導入費用の補助だけ支援していくのでは、単なるツール導入で終わってしまうだろう。

しかし、中身を見てみると、ハンズオンどころか、単なるアルバイト(副業)の斡旋?と感じる。私だけか?

導入企業側からしても、勘違いしそうな説明が多い。まず、あくまで相談であってソリューションの導入ではないこと。お題目に、「オンライン会議システムをはじめとするデジタルツールの導入、ECサイトの構築、キャッシュレス決済の導入、オンラインイベントの開催、RPAの活用といった、企業のデジタル化にまつわる様々な課題を、IT専門家のハンズオン支援によって解決する」なんてことが書いてあるため、時給500円(3500円の国負担で時給4000円の場合)で、すべて実現するのかという勘違いをする企業は多そうだ。

また、至極丁寧に応募要領などが記載されているのだが(領域と依頼内容がマトリックスになっていて、いかにもどこかのコンサルさんがつくった感じ)、「デジタル化したい領域が明確でなく、⽀援の依頼内容も定まっていない場合」などと堂々を書かれており、これを見れば経営者も「とりあえず、なんかうちにプラスになることをやってくれるらしい」と思いこむだろう。

第一、こういう企業に時給4000円(支援金3500円と仮定)の人材が、半年もないのにどうやって対応するのだろうかと思ってしまう。

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

猪口 真

株式会社パトス 代表取締役

すべてのナレッジワーカーがコンテンツを考え、発信する時代です。あなた(会社)のコンテンツをともに考えましょう。

フォロー フォローして猪口 真の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。