営業マンへの愛あるナレッジマネジメントができていますか?

2008.03.12

IT・WEB

営業マンへの愛あるナレッジマネジメントができていますか?

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

営業日報の提出、顧客の情報を集めて入力そして、商品の販売、営業マンに業務負荷をかけておきながら、こんなに情報が集まっている!と自己満足する営業企画部門や、マーケティング部門。それは本当に正しいのでしょうか?

 私の場合は、ヘッドクオーター向けのレポーティングチームのマネジメントはしていましたが、営業マンが上げてくる情報への細やかな対応までは人手不足でできませんでしたね・・・。

 なにかしらトレンドの変化みたいなものがあれば、インタビューに行って、市場の全体動向に照らしてレポーティングといったことはしていましたが、もっとやろうと思えばいくらでもナレッジが出てくるなあ、という感想でした。

 ただ、ナレッジ生産のスキルがあるスタッフを育てるのは、すごく時間がかかる。外から取ろうとすると、ちょっとサラリーが高い。要はコンサルティング出身者が、ナレッジ生産スタッフのジョブディスクリプションを満たせる可能性が高いということですね。

 こういった壁があることはあるんですけど、営業マンに情報を上げさせるなら、意味あるナレッジを生み出して欲しい、そのためにはナレッジ生産スキルがあるスタッフが必要、ということです。

 マイニングツールを使ってもいいですけど、そういうツールはちょっと価格が高い、統計解析とデータマイニングへのリテラシーが高い人じゃないと使えないという理由で、私はオススメはしませんけど。

 そういったナレッジ生産をした上で、新たなアクション、施策を立案して実行の意思決定をしていく、という普通のプロセスを回してくださいというお話しに落ち着きますけど。

 まあ、営業企画ってそういうことのためのチームじゃないんですか?というところですが、なかなか企画と名のつくチームにしたから、ナレッジを見出した上での企画ができるわけでもないんですね・・・。

 このお話しは、もうナレッジマネジメントと称して営業マンに情報入力させているけど、効果は疑わしい、というケースの際に、より意味ある活動にするには?という論点に対するソリューションとしてのお話しです。

 もしも、まだそういうことをしていないなら、なんのために、どの程度の費用対効果を見込んでやるか、ということをしっかり考えてから始めて欲しいです。私は嫌いですが、しっかりKPIの設定もしてから始めるべきでしょうね。

 営業マンはさぼるから、負荷をかけるんだ!というモチベーションでやらないで欲しいのです。

 一番大事なのは、毎日頑張っている営業マンをもっとサポートしてあげたい!という「愛」だと思うのです・・・。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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