新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が拡大の一途をたどる中、デマや根拠の乏しい情報が飛び交いマスクやトイレットペーパーが手に入りにくくなるなど、日常生活が過剰に脅かされる状態になりつつある。厚生労働省は今年(2020年)3月1日付で一般市民に向け、新型コロナウイルス(2019-nCoV)に関する情報をまとめた「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」を公開し正しい情報提供を呼びかけており、その一部を紹介する。
トイレットペーパーやティッシュペーパーが不足しているという情報が拡散されているが、経産省によると表の通り不足していないという。ほとんどが国内生産で、かつ十分な在庫があり、一部店舗での品切れも順次解消していく見通しとのことである。原材料の4割は輸入パルプ材だが、これらは北米・南米からの輸入であり、中国などのアジアには依存していないとしている。
表. トイレットペーパーやティッシュペーパーの供給状況
感染が疑われる場合はどうすべき?
発熱などのかぜ症状がある場合は仕事や学校を休み、外出は控えなければならない。現時点では、かぜ症状の原因は新型コロナウイルス感染症以外の病気によるものが圧倒的に多いため、まずはかかりつけ医に相談すべきである。「帰国者・接触者相談センター」が案内する「帰国者・接触者外来」は新型コロナウイルスの感染が疑われる人が受診しているため、こちらを受診するとかえって感染するリスクが高まることになる。
なお、世界保健機関(WHO)によると、新型コロナウイルス感染症の潜伏期間は1〜12.5日(多くは5〜6日)とされており、また、これまでのコロナウイルスの情報などから感染が疑われる場合は14日間にわたり健康状態を観察することが推奨されている。
どうして検査をしてくれないの?
新型コロナウイルスの検査(PCR検査)を希望しても断られたという報道があるが、2月29日現在、国立感染症研究所・検疫所に加え、地方衛生研究所、民間検査会社や大学病院などの協力を得ながら検査件数は1日4,000件を超えるに至っており、民間検査機関や大学病院に試薬などを提供し、さらに検査能力を拡大しているという。また、3月1週中には検査に医療保険が適用される見通しであり、保健所を経由せずに、医師が民間の検査機関に直接検査を依頼できるようになる。同時に、3月中の導入を目指して新たな簡易検査機器の開発が進められおり、多くの患者がPCR検査を受けることができるようになるという。
新型コロナウイルスについては「インフォデミック(爆発的情報感染)」の様相を呈しつつあるが、正しい情報を基にした冷静な対応が望まれる。
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