いよいよ2020年。今年初の祝日「成人の日」が過ぎる頃になると、お正月気分から日常モードに戻っている人がほとんどだろう。しかし今年はオリンピックイヤーということもあり、世間はどこか浮かれた雰囲気すら漂わせている。 その一方で2020年は、もう何年も前から「2020年問題」が指摘されていたことは周知の通り。「2020年問題」とはビジネス、不動産、教育、福祉などさまざまな分野で多くの社会問題が顕在化し、わが国の大きな転換点となる年のことを指す。その分岐点が、まさに今年なのである。
【2.旅行】
ある程度の資金力があり、現役世代に近い60〜70代の高齢者にとっては、旅行が人気アクティビティの上位にランクイン。しかし、そのようなターゲットの多くは、すでに多くの場所(国内外)に行ったことがあるという人がほとんどのため、単なる観光目的の旅行ではなく、何かしら新しい体験ができる旅行が求められる。
【3.仲間】
仕事をリタイアし、いきなり社会とのつながりを断たれてしまうことは、大きなメンタルストレスとなる。また、それが健康寿命を縮めることにもつながっていく。趣味の会やボランティアサークルなどで新たな仲間を作り、積極的に他者とのつながりを持つことは大切だ。
【4.家族】
高齢者にとって基本となるのは、やはり家族。夫婦、親子、そして孫との関係には、ビジネスにつながる多くのヒントがあるのだ。シニア市場を狙う企業が注目する、大きなテーマのひとつとなっている。
シニア層をターゲットとしたビジネスでは、これらのキーワードが必ず隠されている。そこに注目して、最新のシニア層ビジネスの具体例を紹介しよう。
スマホ市場の新ターゲットは、ズバリ!シニア層
携帯電話業界では、日本国内のスマホはすでに飽和状態にあるといわれているが、数字を見てみるとその実情は明らかだ。
●2018年度のスマホ出荷台数は約3000万台。
●上記数字は、対前年度から200万台減。
●2019年度は、さらに300万台の減少が予想されている
その一方、高齢者はまだまだガラケー利用者が多い。ガラケーとはいうまでもなく「ガラパゴス携帯電話」の略称だが、60歳以上はガラケー使用者が依然として多く、いまだスマホ利用者は6割にとどまっていることから、開拓の余地は大きい市場となっている。しかし、高齢者は孫と一緒に写真を撮ることや、家族や仲間とSNSでつながりたいという希望を持っている半面、スマホの操作の難しさや月々の使用料金の高さがネックとなっている。
これに対して新たな戦略を打ち出しているのが、イオン系の格安スマホ会社「イオンモバイル」だ。60歳以上を対象に、新プラン「やさしいスマホ」で高齢者獲得に力を入れている。
この新プラン「やさしいスマホ」のプランはデータ使用量500MBまで、専用通話アプリを使った電話が10分間かけ放題などの条件で、月額1980円〜(税別)という格安ぶり。
ガラケー使用者にとってこの月額使用料は現在支払っている料金より安くなることになる。さらにイオンモバイルは、高齢者でも扱いやすい、専用スマホも開発するといった力の入れようで、ショッピングのために来店した客を積極的に取り込むとともに、操作法などを相談できる電話サポートも完備することで、高齢者層の獲得に注力している。
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