戦後日本の社会人は、毎週日曜日だけが休みの週休1日制。土曜日はお昼まで仕事をする「半ドン」が一般的だった。戦争で焦土となった日本を復興させ、新しい社会の礎を築くために、大人たちはとにかく働きに働いたわけだ。 昭和に生まれた週休2日制が平成に入って完全に定着し、いま令和の時代に入って「週休3日制」がじわじわと広がってきているという。働き方改革が叫ばれる昨今、テレワークや副業解禁など、さまざまなワークスタイルが生み出されているが、週休3日制はサラリーマンにとって最も身近で、影響力が大きい改革となるのではないだろうか。 ──そんな週休3日制の狙いやメリット・デメリットについて調べてみた。
業務オペレーションの見直し、給与体系の見直し、人材確保の方法の見直し、対外的なPRなど、会社のすべての面のイノベーションを実施しなければ成功しない。常に人手不足で、毎日さまざまなトラブルに見舞われているような職場こそ大きな改革が必要で、週休3日制はその象徴的な要素となる。
【狙い3】社員の質の向上
週休3日になることで、社員はこれまでより1日多く自由な時間を持つことができる。自由に使える時間が増えることを企業側としては、業務に役立つ資格取得の勉強をしたり、本を読んだり、あるいは現場を離れて初めて気づくようなアイデアを考えたり……と、社員が自己研鑽する時間に使ってほしいという狙いがあるだろう。
また、現在は副業を認める企業も増えてきていることから、休日を副業に当てることに企業側の配慮があるようにも思える。給与を大きく上げることができない現状が続く中、社員が休日に副業をすることで本業にもいい影響が出ることを狙っているとも考えられる。
週休3日制を導入した企業の実例は
いち早く週休3日制を取り入れたのは、意外にも佐川急便だ。同社は東京都と山梨県で、週休3日制の正社員セールスドライバーを採用。育児や介護などで週休2日では難しいという人も、週休2日制の正社員とほぼ同水準の給与で働くことができる。
ただし同社の場合、原則として1日8時間以内と決まっている労働時間を1日平均10時間とし、週40時間を超えない範囲で延長できる「変形労働時間制」を活用している。
また、日本マイクロソフトは、今年8月に限って毎週金曜日を休みにする週休3日制を導入した。8月の給与はそのまま、収益目標も現状を維持。これはまだ実験的な段階のようだが、社員が増えた休みを家族と過ごしたり、資格取得などの目標に向かって使ったりすれば、本業にもプラスになるとしている。
他にも電通、yahoo、NECなど、大手企業に週休3日制を導入する企業がじわじわと広がっている。週休3日制が、令和の時代のスタンダードになっていくのかもしれない。
週休3日制のメリット・デメリットとは
週休3日制にはどのようなメリットとデメリットがあるだろうか。まとめてみよう。
●週休3日制のメリット
1.家族との時間を増やせたり、自己研鑽を積んだり、副業に励んだりでき、プライベートの時間の充実につながる。
2.休日が増加することで、通勤の負担を減少させられる。
3.休養をたっぷりとれ、生産性向上につながる。
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