最近、ほとんど耳にすることがなくなった、「大儀」や「正義」に関連したマーケティング、いわゆる「コーズマーケティング」 もう終わってしまったのだろうか。
ESG投資は、すでに全体の3割に達しているともいわれており、将来、ESGの観点の欠けた投資などありえないという状態にもなりそうだ。
結局は「お金」だけの問題ではないということだろう。
「利益の10%を寄付しています」といっても、その利益が、不当労働やコンプライアンス無視で稼いだ利益であるならば、株主や投資家は離れていくし、長期的な存続は難しくなる。
ESGと難しくいったところで、これらのことは当たり前のことであり、長期的な経営を考えれば、無視していいはずがないものばかりだ。
しかし、これらはいかにも大企業向けのものであり、ESGの実践事例などを見ても、我々の組織とは雲泥の差があるところばかりだ。長期的な視点をなかなか持てない中小企業にとっては非常にハードルの高い課題になりそうだ。現実には、3年後の1000万より、今月の100万のほうが必要な場面ばかりだろう。
どれだけ、ESG投資では、売上や利益といった財務指標ではなく、「環境・社会・企業統治」という非財務の観点を評価するといわれても、キャッシュの優先度は常に1位だ。
では、中小企業・小規模企業は手をこまねいていいのかというとそうではないだろう。大企業のコンプライアンスは、確実に取引企業である中小企業にも影響を与えるし、社会的な活動においても何らかを迫られる可能性も高い。
今だからこそ、大企業の先手を打って、時代遅れのマーケティングと呼ばれようが、カッコつけと呼ばれようが、コーズマーケティングやエシカル商品の開発に取り組むべきだと思う。
大企業はESGかもしれないが、中小企業はコーズマーケティングでいこう。
会社のミッション・バリューをこの際、書き直してもいいだろう。メンバーが集まればいい案も出てくるはず。
普段の忙しい仕事のなかで、何か、環境問題解決商品、弱者への配慮、社会課題解決サービスが、現在の仕事と結びつくものはないか考えてみよう。
SDGsの大きな潮流もある。せっかく大企業がつくってくれた道を利用しない手はない。
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