最近、ほとんど耳にすることがなくなった、「大儀」や「正義」に関連したマーケティング、いわゆる「コーズマーケティング」 もう終わってしまったのだろうか。
最近、ほとんど耳にすることがなくなった、「大儀」や「正義」に関連したマーケティング、いわゆる「コーズマーケティング(コーズ・リレーテッド・マーケティング)」や「エシカル消費(エシカル:ethical「倫理的」「道徳的」)と呼ばれたマーケティングの手法だ。
いずれも、その商品を購入すれば、NPOなどを通じて、途上国や貧困国などに寄付をするというもの。消費者の持つ、正義感や道徳心に訴えかけるもので、ある程度の成果を生み出したものだといえるだろう。
こうした、マーケティングは最近目にすることはなかったが、もうこの手法では消費者に届かないのだろうか。
たしかに、当時から若干うさん臭さや本来であればアピールするものでないといった反感を与えてしまったケースもあり、マーケティングによる活動は、どちらかというと、「カッコつけ」として見られることも多く、ネット上での炎上を招いた施策も少なくなかった。
結果、単にマーケティングとしての位置づけで取り組んでいた企業は、メリットよりもリスクのほうが大きくなってしまい、次々と撤退してしまった。
しかし、大儀や正義がネガティブな要素になることなどありえなく、社会的責任を果たす企業は、むしろ増えているし、ひとつの手段ではなく、経営に必須な要素として取り組んでいる企業はたくさんある。
企業によっては、マーケティングの一手法としてではなく、経営の一環として社会の不公平是正に取り組んでいる企業もあり、マーケティングやプロモーションの一環として目に触れることはなくても、企業経営の一部として行っているところも少なくない。
また、そうした活動を行っている企業は、経営に対しても真摯に取り組むことができ、業績もよい。その流れが、現在の「ESG投資」に表れているのだろう。
その証拠に、ESGで高評価を受けている企業は「収益性」「PBR(株価純資産倍率)の平均値」が高いとされ、財務指標も安定しているという。
ESGとは、企業は、「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」という3つの観点から事業を進めなければいけないというものだ。環境は、「地球温暖化対策」「生物多様性の保護活動」など、社会は、「人権への対応」「地域貢献活動」など、企業統治は、「法令遵守」「社外取締役の独立性」「情報開示」などだが、さらに、株主や投資家の立場からも、ESGの観点を重視する傾向が高まっており、それをESG投資という。
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