フリーランスとして仕事を始めた際や、起業して組織を立ち上げようとするとき、真っ先に考えなくてはいけないことは事務所をどうするかです。女性の一人暮らしだったりすれば、自分の家の住所を公表するのは不安だし、かといって一等地に事務所用の部屋を借りるのは家賃が気になります。 そんなフリーランス・ワーカーの悩みに答える新しいビジネスとして注目を集めているのが「バーチャルオフィス」です。自分一人しかいないから事務所を借りるまでもありませんが、公に事務所としての住所は欲しいもの。また、仕事は自宅でもできますが、取引先と打ち合わせできる場所が欲しい……。そんなフリーランスの要望をかなえてくれるのがこのサービスというわけです。今回は、「バーチャルオフィス」とはいったいどんなものなのかを調べてみました。
バーチャルオフィスのデメリットは?
では、気になるバーチャルオフィスのデメリットについて考えてみましょう。
1.法人認可などの住所として利用できない場合がある。
バーチャルオフィスの住所だと、法人登記に活用できなかったり、銀行などの金融機関に法人名で口座が開設できなかったりする場合があります。これらは事前にしっかりとリサーチしてから利用するようにしなければなりません。
2.郵便物の転送に時間がかかる。
バーチャルオフィスの連絡先にかかる電話やFAXは、瞬時に自身の携帯電話や自宅のFAXなどに転送されますが、郵便物はいったんバーチャルオフィスの住所に届けられてから指定の住所に転送されるため、手元に届くまでに時間がかかります。急を要する郵便物を受け取りたい時には不便です。
3.顧客などを事務所に受け入れにくい。
バーチャルオフィスは、事務所としての実スペースが存在しないので、取引先や顧客を事務所に呼んで商談や打ち合わせを行うことができません。そのためには別途貸会議室などを借りる手間がかかります。そのようなオプションを持っているサービス会社も多くあります。
4.他の利用者と住所が重複する。
バーチャルオフィスは、一人(社)に一つの住所があてがわれるわけではないので、他の利用者と住所が重複するケースがあります。これにより、住所で検索すると自分とは別の会社がヒットする可能性も高くなるわけです。
また、バーチャルオフィスが特殊詐欺グループの拠点として使われ、同じ住所が犯罪に利用されることもあると言われます。このようなことになると、会社としての信用が失墜することにもつながりかねません。
きちんとしたサービス会社を選ぶことが大切
年々、利用者が増加しているというバーチャルオフィス。それを提供するサービス会社も右肩上がりで増加していますが、数が増えてくればそれに伴って増えるのは悪質なサービス会社です。
とにかく安さを売りものにし、利用者の審査もゆるいサービス会社は、デメリットの例にも挙げた犯罪の温床にもなりかねません。そのようなバーチャルオフィスを利用して信用を落としたとしても、その責任は自身に返ってくるのです。
──まずはしっかりとリサーチし、自分のニーズに合った確かなサービス会社を探し出すことが何より大切。そのうえで事業が軌道に乗ったら、きちんと実スペースの事務所を開業することをお勧めします。バーチャルオフィスは、あくまで起業初期に利用すべき一時的な事務所である……そうとらえておいて間違いはないでしょう。
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