つい20年ほど前まで、写真といえばカメラにフィルムを入れて撮影した後、ラボで現像・プリントするまで「ちゃんと写っているだろうか」と不安だったものだが……。2000年代に入って、写真はフィルム不要のデジタル化が一気に進み、いまやスマホでもキレイな写真が簡単&手軽に撮れる時代となった。 そうした中、いま若者の間で大ヒットしている「アナログ式」のカメラがある。 富士フィルムが1998年に発売したインスタントスタントカメラ「チェキ」だ。一時は深刻な販売不振に陥ったものの、2018年度には販売台数が過去最高となる1003万台を記録。デジタル全盛のカメラ市場にあって、空前のブームを巻き起こしたチェキの魅力とは何なのか、その復活劇と人気の背景に迫る。
ちなみに同社は、85年続いたモノクロフィルムの生産から昨年撤退している。フィルム事業ではカラーフィルムがかろうじて残っているものの、フィルムが必需とされなくなったデジタルの時代、今後の成長は期待できない。
そうした中、チェキはフィルム事業で生き残る唯一の売れ筋製品であり、祖業で培った技術力をアピールできる貴重な存在でもある。たとえ主役にはなれなくても、独自のアナログ技術を進化させ、新たな価値を生み出すために、チェキは富士フィルムの誇りを受け継ぐ重要なミッションを担っているのだ。
富士フィルムの会長兼CEOを務める古森重隆氏は、フィルム事業のビジョンについてこう語っている。
「写真は人生の瞬間を切り取ったモニュメント。人間にとって大事な写真文化を守り、フィルムやプリントという“形あるもの”として後世に残す価値はある」── そんな写真に対する想いと使命感、技術の粋がチェキには込められている。
※参考/富士フィルムHP、日本経済新聞
≪記事作成ライター:菱沼真理奈≫
20年以上にわたり、企業・商品広告のコピーや、女性誌・ビジネス誌・各種サイトなどの記事を執筆。長年の取材・ライティング経験から、金融・教育・社会経済・医療介護・グルメ・カルチャー・ファッション関連まで、幅広くオールマイティに対応。 好きな言葉は「ありがとう」。
【記事元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
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【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
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