Intel社が取り入れ、GoogleやFacebookなどのビッグ企業も取り入れたとされる、新しい目標管理のフレームとして注目の「OKR」。どんな仕組みなのだろうか。
当然そうなれば、具体的な目標値を設定できるはずもなく、せいぜい、居酒屋で「ほんとはこういうことやりたいんだけど、リソースが・・・」と主張するぐらいが関の山だ。
その点OKRは、ObjectiveとKey Resultsのふたつだけで構成されているので非常にシンプルだ。
このふたつだけというのが、定性×定量という考え方をより際立たせてくれる。中小や小規模企業で、定性と定量がほどよく組み合わされた目標が設定されていることはまれだ。よくある目標設定は、「売上10億円」という年間目標に対して、A事業2億、B事業3億としてブレークダウンするか、営業マン一人あたり1億円というように、商品か人に割り振っていくものだ。また、定性的な目標設定が好きな経営者は、「今年は顧客満足の向上に努めたい」といった定性的な目標を設定し、ファジーなまま普段の仕事が行われていく。
特に人に対しては、MBO(Management By Objective)を評価制度のひとつとして取り入れ、個人に目標と達成のためのタスクを考えさせる企業も多い。
MBOは成果主義の象徴として、かなりの企業に採用されたようだが、個人のたたき出す数字には、個人の努力以外の要素がありすぎて、人事担当も苦労しているという話はよく聞く。
この点、OKRのフレームは、定性的なビジョンと定量的な現実がうまくミックスされたフレームとなっているので、納得性の高い戦略マップを描きやすい。
中小企業(小規模事業者含め)の経営指標を策定する際には、とても有効なフレームになるのではないか。
しかも、「この1年は」とか「この3年で」と長期的に気張る必要もなく、「3か月間、これで頑張ってみよう」的な考えで取り組めばいい。
中小企業を取り巻く変化は速い。ひとつの仕事で喜んでいたら、次の仕事では180度変わってしまうことなど、日常茶飯事だ。
ひとつおすすめは、Objectiveでは、ムーンショットとともに、ルーフショットと呼ばれる、ムーンショットに近づくための手の届く目標もあわせて設定すること。
Objectiveの設定法として、「ムーンショット」を推奨されているが、中小企業のオーナーは、もともと大きなビジョンを持っている人が少なくない。むしろ、現実への落とし込みができていない場合のほうが多い。
さらに、組織のOKRに対して、一人ひとりのOKRを設定する。そうすれば、全体のビジョンと個人の行動がリンクし、納得いく目標が設定しやすくなるはず。また、仕事の優先順位やタスクの計画もしやすくなるはずだ。
そして、あくまで計画は計画であって、少しでもうまくいかにと思えれば、すぐに計画を変更することも大切なことだ。
あまり堅苦しく考えず、楽しんで行うことがもっとも重要なのかもしれない。
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