Intel社が取り入れ、GoogleやFacebookなどのビッグ企業も取り入れたとされる、新しい目標管理のフレームとして注目の「OKR」。どんな仕組みなのだろうか。
Intel社が取り入れ、GoogleやFacebookなどのビッグ企業も取り入れたとされる、新しい目標管理のフレームとして注目の「OKR」。どんな仕組みなのだろうか。
Oとは「Objectives」で、目的や目標と訳される。GOALsではないので、数値目標というよりは、定性的な目標のことだ。ここではできる限り、大きなチャレンジングなものが良い(ムーンショットともいわれる)とされている。たとえば、「いまだかつてない感動とインパクトを与えるイベントを提供する」という感じか。
もうひとつ、OKRのKRは、「Key Results」で、主要な結果、つまり、Objectiveへの進捗を見るために、定性的な目的や目標を定量的な数値目標として設定するものだ。
ひとつのObjectiveに対して、2~5の定量目標を設定することを推奨されている。もともとチャレンジングな目標だけに、60~70%の達成度で成功とみなすとされる。さきほどのムーンショットに対して、「イベントの企画を年間100個作成する」「データの取れるテストイベントを30個実施する」といったところだろうか。
この「OKR」によく似たフレームのひとつに、「OGSM」がある。
Oとは、Objective (目的)で、ビジネスの目的や目指すべき姿などを表す。SはStrategies (戦略)、その目的の実現のために、何をどのような方法で実現するのかを設定する。当然、この戦略の中には、ターゲット、期間、そして実際に取り組む具体的な施策がある。GはGoals (ゴール)、各戦略の目標。MとはMeasurements (評価)、目標に対して到達度合いはどうなのかを判断する。
これらのそれぞれの頭文字を取って、「OGSM」と呼ばれる。
外資系企業ではよく取り組まれているらしく、非常にロジカルな戦略実行のフレームだといえる。
この「OGSM」、いわれてみれば、至極まっとうな話ではあるが、多くの中小企業にとって、改めてこうしたフレームに沿って日々のマネジメントを行っていくことは、正直、少々難が多い。
経営者であろうが、マネージャーであろうが、組織をマネジメントするものであれば、普通、ビジネスを行っていく上では、誰でも「こういう仕事をしたい」「こうなりたい」「このために仕事をしたい」といった目的を持っているはずだ。ただし、次の「戦略」というものが曲者で、どのようにその目的を達成するのかを考えることになるのだが、そうそう簡単に、他社や他部門に対して差別化された戦略が中小企業にあることは、まずないだろう。したがって、描く夢が戦略として設定されることはあまりなく、「できればいい」程度の意識のなかで仕事をしていることのほうが多いだろう。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2020.07.28
2015.07.10