最近の流行語、米大統領も大好きな「フェイク」といえば、フェイクニュースに代表されるように、うそ、ごまかし、にせもののことだと思っていたら、一方グッドな意味合いで注目を集め、未来産業として大いに発展を遂げつつある業界があることが分かった。 「フェイクミート」とは代替肉のこと。 お肉は好きでも肥満やコレステロールが心配という現代人のために、牛肉や豚肉ではなく、豆類など植物を由来にした新しいお肉。ダイエットにも地球環境にもやさしいと、いま世界中でブームが起きている。
そのほか、スウェーデンの家具販売大手イケアの日本法人が、国内の9店舗で代替肉を使用した「ベジドッグ」を5月から発売。これはパンで挟んだソーセージの代わりに代替肉を使用している。ひよこ豆やグリーンピース、ニンジン、ケールなどを原料とし、動物性食材は使用していない。
牛にビールを飲ませる飼育法は、時代遅れの動物虐待か?
こうして代表的な代替肉の採用実例をみていくと、フェイクミートとはあなどれない新しい加工食品に成長しつつあることがよくわかる。
大塚食品の嶋裕之氏は、次のように語っている。
「本物のハンバーグがどうなっているのか、顕微鏡でサイエンスしたり、どんな香りになっているかを研究したり、徹底的に本物に近づくよう努力している。まるでスマホをバラバラにして分析するように」
牛にビールを飲ませて太らせる飼育法は、ある意味、時代遅れの動物虐待といってもいいのかもしれない。牛肉がおいしいことは否定しないが、風味にそん色のない植物由来の代替肉が普及するなら、そちらにシフトするのが、自然なことなのかもしれない。
IT技術、医療、エネルギー、環境など広範な領域において科学技術が大きな進歩をもたらしてきたが、代替肉は今日、明日の私たちの食卓を変えることになる。そうした意味でも、代替肉の普及は、とても身近に感じられる食の革新といえるだろう。
── 消費者、製造者双方のみならず、社会全体に大きな変化をもたらす代替肉。その「すさまじい成長」と「革新」の過程を消費者の一人として今後も見守っていきたいものだ。
≪記事作成ライター:小松一彦≫
東京在住。長年出版社で雑誌、書籍の編集・原稿執筆を手掛け、現在はフリーとして、さまざまなジャンルの出版プロでユースを手掛けている。
【記事元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
日本クラウド証券メディア マネセツ https://manesetsu.jp
【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/
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