みなさんは「フェムテック(Femtech)」という言葉を聞いたことがありますか? これは「女性(Female/フィメール)」と「技術(Technology/テクノロジー)」を組み合わせた造語で、生理や妊娠、避妊やセクシャルウェルネスなど、女性の生活・健康をテクノロジーで支援するサービス分野のことを指します。 女性の社会進出が加速する近年、女性特有の課題を解決するフェムテックは社会的にも注目されており、欧米を中心にスタートアップの市場参入や投資の動きが活発化。海外市場の拡大と人気の高まりを受け、そのムーブメントは日本にも広まり始めているようです。 そこで今回は、海外のフェムテック企業が手がける新発想の商品・サービスを紹介しながら、急成長する市場の背景にフォーカス。女性のみなさんはもちろん、パートナーの男性も要チェックです!
新発想から生まれたフェムテックの人気商品・サービス
フェムテックサービスを手がける企業に共通するのは、「生理や妊娠にまつわることは恥ずかしくない、我慢しなくていい」「女性の自己決定権を尊重しよう」というコンセプトです。その一例として、欧米のフェムテック企業が開発した人気商品やサービスをいくつかご紹介しましょう。
■生理日管理アプリ/クルー(Clue)
先述した「クルー」のティン氏が多くの女性とカウンセリングを重ね、データを蓄積して開発した生理サイクル予測アプリ。次の生理日や排卵日、妊娠しやすい日、気分や体調が不安定になるPMS(月経前症候群)を予測。ピンクなどガーリーなイメージの色使いを避け、スタイリッシュなレイアウトにもこだわっています。現在、日本語も含め15ヵ国語に対応し、ユーザー数は世界で約500万人。
■下着型の生理用アイテム/シンクス(thinx)
ニューヨーク発の下着メーカー「シンクス」は、ナプキンやタンポンなどの生理用品がいらない「履くだけ」の生理用ショーツを開発。同社が特許を取得したマイクロファイバー素材の4層構造で、1日着用した後は洗うだけでOK。生理中のわずらわしさを解消する画期的なアイテムとして、アメリカのマーケットで人気を博しています。
■ウェアラブル自動搾乳機/ウィロー(Willow)
米国のベンチャー「ウィロー」が開発した、仕事や家事をしながらでも母乳の搾乳ができるハンズフリーのウェアラブルデバイス。袋をセットしたカップ型の本体をブラジャーの中に入れ、ボタンを押すだけで搾乳を開始し、袋がいっぱいになると自動でストップ。スマートフォンと接続すれば、専用のアプリが搾乳量や搾乳時刻、搾乳の所要時間を記録してくれます。
■尿もれ解消サポートデバイス/カリン(Carin)
オランダのベンチャーグループが開発した「カリン」は、超小型のウェアラブルセンサー・ショーツ・管理アプリ・エクササイズアプリの4点セットで尿もれ解消をサポート。センサーをスマホやタブレットと同期させてショーツ内に装着し、尿もれの量や動作などの情報を端末でモニタリング。さらに、出産や閉経後の尿もれ改善に役立つ骨盤底筋のセルフエクササイズを行い、2週間サイクルで改善度がチェックできる仕組みです。
日本にも波及するフェムテックのムーブメント
ここ最近は日本国内でも、フェムテックビジネスを立ち上げて新商品の開発に取り組む女性起業家や、SNSなどでフェムテックの普及を支援する団体が増えており、ユーザーサイドの女性の間でも待望のマーケットとして注目され始めています。
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