いまや、世の中のすべてはデジタルで動いているといっても過言ではない。 われわれの生活すべてがコンピュータに支配され、これからはさらに進化したAIが物事の中心になっていくのは間違いないところだ。 そんな中、各方面でアナログの魅力が再認識されているらしい。前回は白黒フィルムが復活したり、「チェキ」や「写ルンです」と言ったフィルムカメラに若者の興味が集まったりしているという話を紹介した。 それに続いて今回は、音楽やゲームの世界での“アナログ復活”について調べてみた。こちらも牽引者はやはり若者のようだが……。
SONYはもちろんのこと、ONKYO、DENON、AIWA、オーディオテクニカなど、かつてオーディオメーカーとして名を馳せたブランドから、軒並みアナログレコードプレーヤーがリリースされており、そのバラエティは逆に選びきれないほどだ。
近年のアナログレコードプレーヤーの特徴としては、USB端子がついているモデルなどが代表的だ。
USBケーブルによってアナログレコードプレーヤーとパソコンをつなぎ、アナログで拾い上げたレコードの音楽信号をデジタル化し、スマートフォンや音楽プレーヤーに取り込むことができる。
また、Bluetoothスピーカーに音楽を出力できるモデル、光デジタルケーブルなどでデジタルアンプに出力できるモデルなどもあり、ここではアナログとデジタルがうまく融合させて楽しめるように進化している。
シニア世代に根強い人気を誇るラジカセ
アナログレコードが復活ということになれば、それを録音するカセットテープの人気も高まるのは当然の流れだといえよう。
ラジカセは、シニアから根強い人気がある。それは操作のしやすさが大きな要因になっているという。例えば、「ガチャン」とボタンを押すはっきりした(アナログ的な)操作で、再生や停止ができる点もそのひとつ。
デジタルとは異なり、目で確認しながら早回しや巻き戻しかできる点も支持される理由だろう。さらに、カセットテープの音楽をデジタルで保存するために、SDカードやUSBメモリーが使えるタイプも登場していて、ここでもデジタルとアナログの融合は進んでいるのだ。
若い世代にとっても、カセットテープは新鮮に映っているようだ。「くるり」「ユニコーン」といった若者に人気アーティストが新曲をカセットテープでリリースするなど、ここ3年ぐらいはカセットも音源の新しいフォーマットのひとつとして復活している。
オーディオメーカーもこの動向に敏感に反応を示している。東芝エルイートレーディングは、1975〜90年に展開していた東芝のオーディオブランド「Aurex(オーレックス)」を2016年に復活させたが、CDラジカセを発売して月1500台という販売目標をクリア。他社でもアナログにこだわったCDラジカセなどが続々と登場し、かつてのオーディオマニアだったシニア層と、いま音楽に夢中の若者たちを中心に、話題を集めている。
スペースインベーダーが、ボードゲームに!?
アナログ復活が目立つのは、音楽の世界に限ったことではない。デジタルゲームの世界でもアナログ化が進行している。1978年に登場し、当時青春時代を過ごしていた人なら誰もがとりこになった「スペースインベーダー」(タイトー)が、ボードゲームとなって生まれ変わるというのだ。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2015.07.17
2009.10.31