アドビから、ユーザーがデジタルコンテンツにどのように接し、どう感じているのかに関する貴重な調査結果が公開された。企業のマーケッターは気づいていることだとはいえ、ユーザーの厳しい評価がくだされている。
ユニークなのは、年齢と共にデジタルコンテンツへの接触時間は減るが、65歳を超えるとまた増えるらしい。単純に空き時間が増えるということか。
ここで、アドビのプロダクトマーケティング担当ディレクターであるケビン リンジーがユニークな見解を示している。
それは、「消費者はFOMO(fear of missing out)を実感しています」というもので、要は仲間に乗り遅れる、取り残されていることに、恐怖を感じるというものだ。スマホを起点に常に仲間と共有できるために、有益、無益にかかわらず、とにかく情報に触れて乗り遅れないようにしておきたい気持ちが強いという。この状態が続くのは良い傾向だとは思わないが、こういう意識は今後さらに増えるかもしれない。
我々、コンテンツマーケティングを提供するものとして頭が痛い結果となったのは、企業のWebサイトを見るにあたって、イライラさせることについてのアンケート結果だ。
調査によれば、最もイライラしてしまうこととして「コンテンツを見つけるまでにページやスクリーンをたくさん見る必要がある」(33%)、「関係の無いオファーを受ける」(33%)、「ページの読み込みが遅い」(32%)という結果になっていた。
ページの読み込みのスピードは、単にデータの重さだけではなくサーバーや回線などのコストの問題もあり簡単ではないが、今後の大きな課題だろう。
また、「企業のコンテンツで最も不快に感じることは何か」についてでは、「だらだらと長い/文章が下手」(43%)、「パーソナライズされすぎていて気持ちが悪い」(25%)、「自分自身や置かれている状況に関連性がない」(24%)、「自分のデバイスに最適化されていない」となっている。
こうしたことは、動画についても同様で、動画へのアクセスや閲覧は行うものの、「日本の消費者の60%が動画の「解像度が低い」または「動画の読み込みが遅い」とコンテンツの閲覧を完全にやめる」となっている。
「だらだらと長い」ことがよくないことだというのはわかってはいるものの、約半数のユーザーがあげている(ダントツの1位)ことには、多くのマーケッターが感じていることではあるが、想像以上に厳しいと感じているのではないか。
コンテンツを十分に伝えようとするあまりに、重く冗長的なコンテンツとなることが増えている。これは、完全に編集力のなさが露呈している。もちろん短ければいいということではないが、ものごとを、「端的に、わかりやすく、しかも面白く」伝えることに、発信者はさらに注力しなければならないことが明らかになった。
現在多くの企業や躍起になっている、適切はパーソナライズやデバイス対応はもちろん必要だが、その前に、発信すべきコンテンツを再編集することが今求められているということなのだろう。
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