いま、空前のお城ブームにわいている。 “レキジョ”に代表される歴史ブームの到来、『真田丸』『西郷どん』といったNHK大河ドラマのヒット、そして外国人観光客の増加などの要因が重なり、日本古来の美しさを再認識できる場所としてお城が大人気となっているのだ。 2018年末、横浜で開催された“城好き”を対象としたイベント「お城EXPO」には、3日間で延べ約2万人の人が来場した。お城のどこに人々は惹きつけられるのだろうか。今回はお城ブームの実態に迫るとともに、これからの展望と課題についてもまとめてみたい。
観光客が増え、公開と保存のジレンマも発生
城ブームの陰で、課題も浮き彫りになっている。そのひとつに、観光客の増加による史跡損傷や渋滞などもある。貴重な文化財であるからには公開し、多くの人に見てもらうことがその大きな役割となるが、その一方で、多くの人が訪れれば渋滞、ごみ、文化財の損傷など、さまざまな問題が出てくることは必至だ。公開と維持・保存。それぞれのお城は、その両立に頭を悩ませるようになっている。
名古屋城は、現行の鉄筋コンクリート製の天守閣の耐震構造に難があり、取り壊すことになった。そして、名古屋市としては、本来の木造天守を再現すべく、昔ながらの階段構造の計画を発表した。しかし、障がい者も天守に登れるよう、エレベーターなどを取りつけるべきとのクレームが発生している。これも公開と保存のジレンマとして、どこに着地点を見つけるか注目されている。
── ブームの影にはさまざまな問題も浮き彫りになっているが、外国人観光客の増加などもあり、お城ブームはまだまだ続いていきそうだ。
そして、いよいよゴールデンウイークに突入する。観光名所にもなっている名城は、多くの人々で賑わうことは必死だ。落書きをする心無い人、ゴミをポイ捨てする人が一人でも出ないよう、祈るばかりだ。
≪記事作成ライター:三浦靖史≫
フリーライター・編集者。プロゴルフツアー、高校野球などのスポーツをはじめ、医療・健康、歴史、観光、時事問題など、幅広いジャンルで取材・執筆活動を展開。好物はジャズ、ウクレレ、落語、自転車。
【記事元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
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【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
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