QUEENのボーカル、フレディ・マーキュリーの半生を描いた映画『ボヘミアン・ラプソディ』の勢いが止まらない。
●リピーターによる感動体験の共有
この映画『ボヘミアン・ラプソディ』のもうひとつ大きな特徴は、2度、3度と繰り返し映画館に足を運ぶリピーターが続出していることだ。これらは音楽映画には比較的よくみられる傾向だが、『ボヘミアン・ラプソディ』は突出している。物語を理解し、ストーリーをなぞって味わうだけなら一度見れば十分なのだが、音楽映画、とくにこの映画だとまるでライブを観ている感覚を味わえるので、何度観ても飽きない。驚いたことに、観客の4割以上がリピーターといわれている。少し異常な現象だ。
場面展開を全部理解したうえで、ぴったりはまったタイミングで立ち上がったり、応援したりして、いっしょに楽しんでいるのだ。それらが感動体験の共有になっている。映画を観ているというよりは、むしろ体験しているといってもいいのかもしれない。こんなことはあまり聞いたことがない。映画の新しい鑑賞スタイルの誕生といったら大げさだろうか。
筆者も、昨年12月の初めに映画館に足を運んだが、久しぶりに熱い映画館を目の当たりにした。映画は静かに観るのが常だが、こうした鑑賞の仕方もあっていいと思ったし、新しい潮流になるのかもしれないと思った。
この映画に触発されて、これから有名アーティストの足跡をたどった音楽映画が続々公開されるらしい。
QUEENのような稀有なバンドによる感動体験が、ほかのアーティストでもたらされるかは少し疑問だが、新しい音楽映画のスタイルを導き出した意義は大きい。さらにいい作品の誕生が期待される。
そしていつかは、日本人アーティストを主役にした本格音楽映画を観てみたいものだ。
≪記事作成ライター:小松一彦≫
東京在住。長年出版社で雑誌、書籍の編集・原稿執筆を手掛け、昨春退職。現在はフリーとして、さまざまなジャンルの出版プロでユースを手掛けている。
【記事元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
日本クラウド証券メディア マネセツ https://manesetsu.jp
【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/
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