供給市場分析とはサプライヤの立場で自社の立ち位置を検討する分析そのものです。 自社の戦略を考える上で相手が何故そういう事業戦略を立てているのか、考える上でとても役たつフレイムワークが5フォース分析です。
実際に分析してみるとサプライヤが自社の戦略として、例えば自分の会社や業界以外の顧客向けに力を入れている場合に、その理由が推察できます。分析を進めると考えていた以上にサプライヤの事業環境が悪く、こっちを中々向いてくれない理由なども理解できたりします。
このようにサプライヤの市場を客観的に捉え自社がおかれたポジションをサプライヤの立場で捉えることで、サプライヤの戦略を類推することができるのです。
多くのバイヤーや企業はどうしても自社中心で市場を捉えます。
例えば「サプライヤが言うことをきかない」と言いますが、「何故言うことを聞かないのか」必ずそこには理由があるのです。それをサプライヤの立場で考えることで理由を理解し、その上でサプライヤにこちらを向いてもらうためには、どうすればよいのか、もしくはどうしようもないのか、理解することができるのです。
私の尊敬するZhenさんが今週号のメルマガで「欧州サプライヤの強さ」という内容を書かれていました。
「日本や中国などの新規サプライヤに見積依頼する時には仕様書、図面などの技術的要求や当該部品の年間発注予定量といった情報だけを提示すれば良かった。ところが、欧州サプライヤからは、次々とリクエストが来る。当該の部品は、どのような製品に組み込まれ、その製品の市場規模は、どれくらいあり、その中でバイヤー企業のポジションは、どこに位置するか。さらにバイヤー企業は、その製品の2年後、5年後には、どのような展開を考えているのか、などの情報まで欲しがる。」ということです。
欧州サプライヤは逆の視点で我々を見ているということ。
だから彼らはそのような様々な情報を欲しがるのです。
5フォース分析は様々な角度から関係性を評価分析します。単に「買い手」との関係性だけでなく「売り手」や「競合他社」、「新規参入者」、「代替品や代替技術」などです。このような多面的な視点で分析を行うことで、サプライヤの事業戦略を理解(推察)することができるのです。
自社のサプライヤ戦略はサプライヤの事業戦略とアラインしていないと成り立ちません。両想いの戦略を策定するためにも、まずは相手の立場から見てみることを考えてみたらいかがでしょうか。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。