ストロー廃止で何が変わる?マイクロプラスチックごみが警告する海洋問題(後編)

2018.10.12

ライフ・ソーシャル

ストロー廃止で何が変わる?マイクロプラスチックごみが警告する海洋問題(後編)

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「ストロー廃止で何が変わる? マイクロプラスチックごみが警告する海洋問題」として前編・中編でお送りしてきたわずか数カ月の間に、この問題は刻々と変化を見せています。

そこへ地元の自治体が「プラスチックGメン」なるものを組織し、取り締まりに乗り出したから大変です。レジ袋などが発見されると、違反として罰金が科されます。罰金は日本円にして約8000円。小さな商店では1カ月の売り上げに相当するというから、これは大問題です。店内をくまなく探すGメンにおびえ、憤る店主たち。この強引な取り締まりによって、ガンジス川に浮かぶ山のようなプラごみは削減されるでしょうか。

この禁止令によりプラスチック工場がつぶれ、失業者が相次ぐ一方、使い捨てプラスチックの代替品開発が進んでいるのも事実です。これまで何の役にも立たなかったヤシ科の植物の落ち葉を圧縮して成型したお皿、サトウキビからできた容器、トウモロコシを主原料とする生分解性のレジ袋やストロー、ドリンク類のふたなど、使い捨てプラスチック製品の代わりとして、急速な開発・生産が進められています。

「海洋プラスチック憲章」に署名しなかった日本

2018年6月にカナダで開催されたG7、主要7カ国首脳会議において、「海洋プラスチック憲章」が議論されました。使い捨てプラスチックの使用制限や削減、リサイクルにおける数値目標が掲げられましたが、この憲章に署名しなかったのが、米国、そして日本です。奇しくも、前述のひとり当たりのプラごみ排出量1位と2位の国が署名拒否を選んだことになります。

署名を見送った理由として、政府は「プラごみを減らすことには賛成しているものの、国内で法整備ができていないため、どのような影響があるかわからない」としていますが、納得がいかない説明で、驚きを禁じ得ません。法整備ありきではなく、この憲章があるからこそ法整備がされていく、つまりは環境保護に対する大きなきっかけになるのではないでしょうか。

── 当初は前編・後編で構成されていた「ストロー廃止で何が変わる? マイクロプラスチックごみが警告する海洋問題」ですが、問題を取り巻く環境や人々の意識・行動が変わり、社会が動いていくのを追っていくにつれ、前編・中編・後編という構成となりました。ところがまだこの問題は終わりを見ません。
次回は「マイクロプラスチックごみが警告する海洋問題で私たちができること」と題して、日本を含めた世界がどう対応しているのか、どんな方法があるのか等の最新情報を引き続きお伝えしたいと思います。

参考:朝日新聞、CNN.co.jp、他

ストロー廃止で何が変わる?マイクロプラスチックごみが警告する海洋問題(前編)

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