ストロー廃止で何が変わる?マイクロプラスチックごみが警告する海洋問題(後編)

2018.10.12

ライフ・ソーシャル

ストロー廃止で何が変わる?マイクロプラスチックごみが警告する海洋問題(後編)

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南青山リーダーズ株式会社

「ストロー廃止で何が変わる? マイクロプラスチックごみが警告する海洋問題」として前編・中編でお送りしてきたわずか数カ月の間に、この問題は刻々と変化を見せています。

当初はストローに焦点をあてた報道が相次いでいましたが、問題の本質はプラスチックごみ(以下、プラごみ)全体に波及してきました。問題点が明らかになるにつれ、各国や都市でプラごみ対策が進展し、規制のスピードが速くなっているためです。
マイクロプラスチックごみになる可能性が高いことを踏まえ、レジ袋(プラスチックバッグ)をはじめとした、使い捨てのプラスチックトレーやカップ、ナイフやフォークなどの使用規制や廃止に取り組む国や地域、企業。一方で、急な法律改正による対応に苦慮する業者や店舗も多く、コスト面だけでなく、従来とは違う取り扱いに困惑している様子がうかがえます。利用者や買い物客が不便を強いられていると感じることも多々あるようです。
プラごみに関する世界の動きについてご紹介します。

使い捨てプラごみ排出国のNo.1は?

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マイクロプラスチックごみの元凶ともいえる、使い捨てプラごみの発生量が一番多い国はいったいどこなのでしょうか。ある報告書から見ていきましょう。
地球規模の環境保全で指導的役割を果たす国連環境計画(UNEP:United Nations Environment Programme)が6月に発表した報告書「使い捨てプラスチック(Single-use plastics)」によると、2014年に世界で最も多くプラごみを排出していた国は中国で約4000万トン(2014年)とダントツでした。続いてEU28か国、米国、インド、日本となっています。

ごみの量が半端ではない中国。街中はもちろん、川や湖、山など、ありとあらゆるところにごみが落ちている光景はネットでもおなじみです。ところが、ごみの量を一人あたりで換算すると、日本よりも少ない値になります。
なんと1位は米国の約45キロ、そして、日本が約32キロで2位という結果になってしまうのです。
中国は世界第1位の人口13.6億人(2014年)ですから、計算上はやむを得ない数字かもしれません。ちなみに、米国の人口は3.1億人、日本は1.2億人です。

1日、約5億本ものストローが使い捨てに

米国のファーストフード店やスーパーマーケットでは、使い捨てプラスチックの容器やフォーク、スプーン、ストローやレジ袋が湯水のように使われ、プラスチック大国と化していました。屋外での食事を好み、“to go”という「お持ち帰り」文化が根づいている米国では、使い捨てプラスチック用品は生活に密着していたのです。

次のページペットボトルなど、プラごみが増え続ける日本

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