B2Bにおけるセールスの大きな役割の一つは、既存顧客の育成にあるのはいうまでもない。ソリューションではない、コンテンツの提供を行うことで既存顧客との関係はさらに強化できる。
B2B企業においても、コンテンツマーケティングをセールスプロセスに取り入れる企業が増えてきた。特に顧客の業種を限定せず、付加価値を提供することで商品やサービスを販売している企業においては、ほとんどの企業が何らかのコンテンツマーケティングの要素を取り入れていると言ってもいいだろう。
コンテンツマーケティングは新規開拓ツール?
現状、コンテンツマーケティングは、新規顧客開拓のために使われている場合がほとんどだ。マーケティングオートメーションやアカウントベースドマーケティングにしても、基本的に受注するまでのプロセスを追いかけるためのものであり、新しい顧客開発に予算がかけられている。
しかし、B2Bにおけるセールスの大きな役割の一つは、既存顧客の育成にあるのはいうまでもない。
もちろん会社によって異なるが、会社の売上の7~9割は既存顧客によって占められているはずだ。昔から言われている言葉に、「既存顧客は目減りする。だから新規顧客を開拓しなければならない」というのがある。ある側面真理だろう。既存顧客の中にも、招かざる客がいるだろうし、戦略的に合わない顧客も出てくる。また、顧客の業績の落ち込みもあり得る。だから新規顧客を開拓しなければならないというわけだ。
しかし、新規顧客の開拓は大きなコストとリソースがかかる。顧客の状況を理解するだけでも時間はかかるし、本質的なニーズを把握するには、相当の労力が必要となる。
先ほどの、「目減りする」の前には、本当は、「これまでと同じことをやっていれば」という言葉が入る。すでに信頼関係ができている既存顧客への新たなコンテンツ提供こそ、B2Bセールスのやるべきことだと思う。
多くのB2B企業では、図のような顧客分類となっているはずだ。ABCが既存で、DEが新規、それぞれにポテンシャルの大小がある。
Aのゾーンの顧客は大口なため、あまり顧客のポテンシャルのことなど考えず、必死で日々取り組んでいるはずで、Bのゾーンには、特に積極的にアプローチはしていないが、オーダーがあれば受けるゾーン。最も注力すべきゾーンはCであり、今後どのようにこのゾーンの顧客とパートナーシップを築いていけるかが、セールスの腕の見せどころとなる。DとEが新規開発埼となるが、Dに好んで訪問するセールスはいない。Eの顧客に対して最もマーケティングコストをかけているわけだ。
既存顧客との関係変化
ある商品が生まれてから、絶頂時を迎え、そしてやがて市場から忘れられていく状態を表した、「プロダクトライフサイクル」がある。
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