昨今、「コワーキングスペース」と呼ばれるオフィスが非常に増えている。イメージも実態も今風な感覚だ。ここにはどのようなビジネスチャンスがあるのだろうか。
一時期、シェアオフィスやレンタルオフィスというと、お金のない起業したての若いビジネスマンや新規の事業部や営業所などの設置というような、どちらかというと、とにかく費用を安くしたいというイメージのものだった。
ところが昨今、こうしたオフィスが非常に増えており、イメージもまったくネガティブでなく、むしろ、今風な感覚すらある。呼び名もいつの間にか「コワーキングスペース」と言われており、すっかり様変わりの様相だ。
急増するコワーキングスペース
JLLの発表した資料によれば、東京オフィス市場のコワーキングスペースがここへきて急拡大しているという。特に東京、千代田区、港区などの東京都心5区で増大している。中でも、世界的に拡大している「WeWork」の日本進出が注目されている。
この「WeWork」に投資しているのは、ソフトバンク・キャピタルであり、三井不動産はWorkstyling、NTT開発はLIFORK、またサービスオフィスのRegusは、Spaceを買収した。
これは、国の「働き方改革」の推進による、生産性向上や働き方の多様化への対応という側面が強いが、もちろん、従来型のスタートアップ企業の活用や、大企業のテストマーケティング的なコミュニティ志向の表れでもある。
レンタルオフィス、シェアオフィス、そしてコワーキングスペース
このコワーキングスペース、微妙な違いはあるにしても、似たようなサービスは存在した。
このコワーキングスペースが従来のレンタルオフィス(共用含む)とどのような違いがあるのかを見ていこう。
レンタルオフィスは昔からあるサービスだ。私自身、15年ほど前の起業時には、初期投資を抑えたくて数件のレンタルオフィスを検討した。当時はあまりバリエーションも多くなく、ランニング費用も新たに賃貸オフィスを借りるのとあまり大差ない感じではあった。
ただし、事務所を事業用として借りるとなると、10カ月程度の保証金はかかるし、ある程度のオフィスとしての設備も必要だ。初期投資を少しでも押さえたい起業志望の人にとっては、ありがたいサービスだ。
昨今、レンタルオフィスの中にも、ゴージャスな雰囲気と立地で、ブランド力を訴求できるような物件も出てきた。こうなると、コスト削減なのか、プロモーションとして投資するのか、よくわからなくなってくるが、総合的にみると、レンタルオフィスは、やはり差し当たっての利用という感じが否めない。
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