今年もアウトドアのレジャーにうってつけの季節がやってきます。 海やプールでのウォータースポーツや、山登りにハイキング、バンガローやキャンプでのバーベキューなど、家族や友人と楽しむ時間が増えそうですね。 キャンプといえば、ボーイスカウトや学校の課外活動で経験した人が多いことでしょう。自然の中で新鮮な空気を吸って遊び、夜はキャンプファイヤーで楽しく過ごしましたよね。でも、テントの中は寝心地がイマイチだったり、思わぬ虫に遭遇したり、朝夕の気温差が激しいなど、快適とは言えない部分が多いのも事実。そんなキャンプのイメージを覆す、新しいアウトドアの楽しみ方として人気があるのが〈グランピング〉です。キャンプの潜在需要を掘り起こす経済効果が期待されている〈グランピング〉とは、いったいどのようなものでしょうか?
そんな「キャンプ未経験者」をも取り込めると期待されているのが、準備も要らず、現地に行くだけで贅沢な気分を楽しめる点が最大の特徴とされる〈グランピング〉なのです。美しい自然に囲まれた場所で、美味しいものを食べてさまざまな体験をし、ひたすら快適に過ごせるうえにラグジュアリー気分まで味わえるとなると、やはり行ってみたくなりますね。
当然、「ラグジュアリー」=「高級、高額」という図式のとおり利用料金もそれなりですが、流行に敏感なセレブといわれる人たちの目には〈グランピング〉は斬新に映ったようです。そのほか一般的なリゾートホテルに飽きてきた富裕層、非日常を求めて海外旅行に出かける女性、トレンドに興味がある若者などの興味を引くことができれば、〈グランピング〉を入り口としたキャンプやアウトドア人口の増加が見込めるのでは……と、いわれているのです。
魅惑的なグランピング施設の登場!
ここからは、最近話題のグランピング・リゾートやグランピング施設をご紹介します。
※ご紹介する施設情報は季節や時期によって変動します。また、価格は税別表記を基本としていますが、こちらも季節や時期によって変動しますので、HP等にてご確認ください。
■星のや富士
ブームを見込んで、2015年に日本での初めてのグランピング・リゾートとして市場に参入したパイオニアが、星野リゾートの『星のや富士』です。
雄大な富士山と川口湖畔を望む立地に立てられた宿泊施設はテントではなく、キャビンというコンクリート打ちっ放しのモダンなスタイルで、環境や照明などにもこだわっていて、大人の優雅な過ごし方を提案しています。静かな森の丘陵に設計され、焚火ラウンジでゆらめく炎に癒される人も多いのだそう。気になる食事はジビエを加えたフレンチ風のコース料理がメイン。その他にも、ダッチオーブンを使う参加型ディナーなど、好みのスタイルで楽しむことができます。大人2名、朝夕食付で1泊8万円台〜という価格帯にもかかわらず、非日常を満喫できると評判も上々。グランピングマスターによるアクティビティが自慢で、森の中の演奏会に星空ツアー、ヨガ、フィッシング、カヤック、トレッキングなどの豊富なメニューは、子ども連れでも楽しめると注目されています。
■伊勢志摩エバーグレイズ
同じ2015年、三重県志摩市にオープンしたのが『伊勢志摩エバーグレイズ』です。
アメリカ合衆国フロリダ州の自然保護区である『エバーグレイズ国立公園』と共通点が多いことから命名された『伊勢志摩エバーグレイズ』は、伊勢神宮の森から湧き出る清流を源にする湿地帯に隣接し、県内有数の渡り鳥の飛来地としても有名な伊勢志摩国立公園の中に位置します。何より、アメリカ風の雰囲気を持つ〈グランピング〉が魅力で、価格帯はシーズンによって異なります。例えば、ラグーンに佇むカヌー付きのサファリテントは、大人2名1泊朝夕食付で3万8100円〜。開放感あふれる広いラグーンを独り占めできるうえ、贅沢な天蓋付きベッドがある寝室に、お風呂付のデッキでリラックス。食事は本格的なアメリカンGBQ(グランベキュー)*を楽しむスタイルです。季節ごとのイベントも盛りだくさんで、子ども用プログラムや家族で楽しめるパーティが企画されています。
*GBQ(グランベキュー)……グラマラスとバーベキューを掛け合わせた造語。上質なアウトドアで優雅にバーベキューを楽しむこと。
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2009.10.31