2018.06.29
フレックスタイム制の仕組みと実態から見る残業代が発生した場合の対策
労働問題の解決に役立つ法律メディア 労働問題弁護士ナビ編集部
株式会社アシロ
フレックスタイム制とは、定められた労働時間の中であれば、労働者自身が出社時間と退社時間を決めることのできる、変形時間労働制のうちの一つです。フレックスタイム制という特殊な勤務体系によって様々な問題が出ているのも現実です。今回は、フレックスタイム制の仕組みと、それに関連したメリット・デメリットを解説していきます。
18歳未満にはフレックスタイム制は導入できない
満18歳未満の年少者は、労働基準法第60条の規定によって、フレックスタイム制を導入することはできません。
フレックスタイム制にも休憩時間は必要
フレックスタイム制でも休憩時間を設ける必要があります。多くの企業は休憩時間を一斉に与えているため休憩時間はコアタイム中に設けています。しかし、別途労使協定を締結することで休憩時間についても労働者の自由な判断に委ねることは可能です。
フレックスタイム制のメリット
フレックスタイム制は、本来労働者にメリットの多い制度になっています。
個人が効率的に働くことで、無駄な残業が減る
毎日定時の時間が決まっていても、仕事が多い日と少ない日に差が出てきます。そうなると、仕事が少ない日は、定時まで時間を潰して、多い日は遅くまで残って、という風にどうしても無駄が出てきます。
フレックスタイム制は、仕事が少ない日にサッと帰って、多い日に時間を回すような効率的な働き方が出来ます。
ライフワークバランスが整い、生産性が上がる可能性がある
定時での働き方だと、前日遅くまで残業して、次の日早くに出勤する負担のある働き方が出てきます。フレックスタイム制は、前日遅くまで働いたのであれば、個人の判断で出勤を遅らせ、無理のない働き方が出来ます。
フレックスタイム制は労働者にも依然人気で求人が集まる
フレックスタイム制は、依然人気で、求人をするにあたって、一つのアピールポイントになります。フレックスタイム制を有効に活用できるような、自己管理のできる人材を採用できれば、会社の生産性も格段に上がります。
フレックスタイム制のデメリット
ある程度の自由度があるからこそ問題も発生してきます。
社員同士の情報共有が取りづらい
フレックスタイム制は、社員が同時にそれって仕事を始め、同時に終わることが無いため、社員同士の連携が希薄になりがちです。各々が業務をこなし、それぞれで連動できれば非常に良い形ですが、バラバラになってしまうと、相違が起こりトラブルの元になります。
取引先・外部との連携が取りづらい
フレックスタイム制は、各個人が必ず社内にいる時間が限られてくるので、外部との連絡が多い業務には向いていません。
フレキシブルな働き方に甘えてしまう労働者が出てきてしまう
フレックスタイム制では、ある程度の自由度はありますが、やはりその自由に甘えてしまう人は出てきてしまいます。極端に仕事も終わらせず、すぐ帰るようでしたら、上記のように総労働時間の繰り越しや、賃金カットもできます。
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