相手を理解した上で行われるコミュニケーションは、相手を尊重し、受け容れていることが伝わります。 さらに、その世界観の交流から違った視点を得ることができるので、相互に成長が促されます。 今回、理解を交えた「セラピストの視点の3つのポイント」を部下の上司への不満の相談を実例にして、お伝えします。
1つめは、自分(ここではセラピスト自身)の世界観だけでものを見ないこと。
この場合、相談者は「上司が急に仕事を振って来る」ことで、自分の仕事が思ったようにできなくて不満がたまってます。
セラピストは、瞬間的には。就業間近な残業などを想像しましたが、その思い込みで話は進めていません。
「どんな状況で…」と尋ねることで、より相手の伝えたい状況を把握しようとしています。
その結果、単純なものではなさそうだとセラピストは理解しました。
2つめは、互いの世界観のすり合わせが必要だということ
互いとは、ここでは上司と部下の視点をセラピストがサポートします。
なぜS子さんは、上司は「急に仕事を振る」と思うのでしょうか。
よく話を聴くと、その人なりの仕事観があることが見えてきます。「時間」がテーマの様でいて、実は仕事へのこだわりの部分が損なわれることが、不満なのだとわかります。
これはS子さん→上司の視点。
しかし、急な仕事にはどんなものがあるのかを尋ねると、上司が手掛ける「イベントの会議に同席して」というような内容もありました。
どうやらその上司は、S子さんに大きなイベントの企画内容を知ってもらい、自分の助けだけでなく、S子さん自身がそんなイベントを手掛けられるようになってほしいという期待がありそうでした。
部下の成長のためだとすれば、急に仕事を振るという意味合いも少々事情が変わります。
上司→S子さんの視点には、伝えるべきタイミングをもっと配慮する視点を持つ必要もあるには違いないのですが。
S子さんは、課題をどうやって仕上げるか、自分で考えて進められる能力がある人ですから、上司もその力を評価している可能性があります。
セラピストは、S子さんの気づいていない「上司→S子さんの視点」に何がありそうか、触れる機会を作ります。
3つめは、相手の状況を俯瞰してみること。ちょっと神?のような視点を持つこと
このケースでは、S子さんは、自分の段取りで、モチベーションを上げた状態で出来上がるタイミングも完璧に仕上げたい、でも上司にそれを妨げられることが、なぜ繰り返されるのか?を見る必要がありそうです。
神の眼のような…と私たちは時々言うのですが、これは決して上から目線を意味せず、高いところから俯瞰するよう対象にちょっと距離を持ち、思い込みを超えて「客観的に」なって対象者を見ることです。メタ認知と言われることに近いです。
私はフラワーフォトセラピストなので、花の写真を使って、聴いた情報以上に心の奥まで分析できます。そんなツールが、客観性を持つことを助けてくれます。
次のページ◎相手は、本当は何を伝えたいのか、に近づくこと
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2018.08.05
2015.07.17
一般社団法人フラワーフォトセラピー協会 代表理事
こんにちは。内藤由貴子です。花の写真でストレスを作る感情を分析、心理診断を行い、さらにその解消まで行うフラワーフォトセラピーのセラピストです。INSIGHTNOWでは、異色な存在かもしれませんね。このセラピーの普及のため、一般社団法人フラワーフォトセラピー協会を設立、講師の養成、セラピストの紹介を行っています。自身、色を使うオーラソーマ®をはじめ、セラピストとして16年あまりのキャリアです。このINSIGHTNOWでは、こころをケアに役立つようなコラムを書かせていただきます。よろしくお願いいたします。