新聞や雑誌、ネット上で「フィンテック」という言葉を見かける機会が多くなりました。 フィンテックのキーワードで検索してみたところ、「── フィンテック(Fintech : Financial Technology)とは、Finance(ファイナンス)とTechnology(テクノロジー)をかけ合わせた造語 ──」とあります。この短い解説によって、言葉の意味合いはなんとなくわかりますね。 実はいま、金融業界・サービスだけでなく社会をも変える革新的サービスとして、フィンテックはさまざまな業界で注目され、さらには国家レベルでフィンテック推進について取り組んでいる国も多くみられるのです。そこで早速、いまこそ知っておきたいフィンテックについてご紹介していきましょう。
安くて便利、早くて簡単な金融サービス=フィンテック
「フィンテック」とは金融とITを結びつけたサービスで、平たくいえば既存の金融機関とは異なるアプローチが特長の「安い、便利、早い、簡単」な金融サービスといえます。そのサービス例として、たとえば世界で2億人以上のユーザーが活用している「PayPal(ペイパル)」に代表されるスマートフォン(以下・スマホ)の決済システム、資産管理、話題の仮想通貨、AI(人工知能)を使った投資システムなど多様な金融サービスがあげられます。
その歴史は浅く、2008年に起きたリーマンショック以降、フィンテックは金融関係から流れた人材がIT企業と結びついたことによって米国で成長し、時期を同じくして、世界にまたたく間に普及したスマホによって(初代iPhoneは2007年発売)、爆発的勢いで世界に広がっていくことになります。
“爆発的”に広がった背景には、金融機関の対応に苦渋をなめた経験や不信感を抱く人々をはじめ、資金繰りにあえぐ中小企業をすくい上げたことが大きな要因として挙げられるでしょう。あるいは、ネット上の決済に違和感を抱かない若い世代に抵抗なく受け入れられたことも、その一因となったようです。
フィンテックが生み出した「Square」「マネーフォワード」「マメタス」
テクノロジーを使って革命的な金融サービスを次々と世に送り出す──。これがフィンテックの真骨頂であり、先進地・米国ではすでに多種多様なサービスが登場しています。
●「どこでも」カード決済できる「Square」
Twitterの生みの親であるジャック・ドーシー(Jack Dorsey、1976年11月19日〜 )が、リーマンショック翌年に立ち上げた「Square(スクエア)」もそのひとつ。アメリカでは高い人気を誇るこのサービスは、スマホのイヤホンジャックにクレジットカード・リーダーを差し込むことで、買い物時に自分のスマホから「どこでも」カード決済できるもの。そのほかにも個人間の送金や、お金の借り手と貸し手をネット上で結ぶ融資サービス、通貨交換サービスなども誕生しています。
●日本で高い人気を誇る、家計簿アプリ「マネーフォワード」
日本に目を向けてみると、たとえば現在約500万人が利用している家計簿アプリ「マネーフォワード」。このアプリは「銀行やクレジットカード、電子マネーなどと連携できる」「自分のお金の出入金状況や資産管理がスマホ上で一元的に確認できる」「買い物レシートを撮影するだけでその内容が自動入力される」「家計簿を自動作成できる」……などさまざまなサービスが活用できます。
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