アプリによるデータや資産管理、または決済など、あらゆるものがスマホに集約されるなか、「投資」も決して例外ではありません。 ひと昔前では考えられなかった投資を促すアプリも登場し、フィンテック(金融+IT)を活用したサービスは加速しています。 こうしたなか、ユニークな投資の形態として注目されているのが、投資アプリ「マメタス」です。 今回は、スマホとコンピュータープログラムの融合により、少額から手軽に資産運用ができるマメタスを例に、投資の未来を探ります。
「おつり」を貯めて、アプリで運用
低金利時代を反映し、資産運用の手段として株などに注目する人は増えています。積極的に資産を運用し、お金を増やしていきたい ──。とはいえ、プロでも難しいのが投資の世界です。富裕層ならいざ知らず、リスクを考えると、高額な投資に二の足を踏む方も多いでしょう。
こうした投資の入り口に立つ人に、マネー運用の間口を広げてくれるのが、投資アプリです。なかでも話題の「マメタス」は、クレジットカードや電子マネーの「おつり」を貯めて、自動で投資していくというもの。アナログともいえる500円玉貯金をする人がいまも多いように、地道に無理なく貯めて行くコツコツ型スタイルは、日本人の性に合っているのかもしれませんし、日ごろの生活の質を落とさずに、少しずつ投資できたら、精神的な負担も軽くなるともいえます。
おつり設定で、運用額が変わる
では、その「おつり」の仕組みを紹介すると……。
まず、おつりの端数設定を100円、500円、1000円のなかから選びます。たとえばクレジットカードで350円の買い物をした場合、おつり端数が100円の場合は50円、500円の場合は150円、1000円の場合は650円がおつりとなります。
1回クレジットカード使うたびに、端数分のおつりが加算され、1カ月に1回、貯まったおつりの総額が投資口座に回り資産運用されます。
仮におつりの端数を100円に設定し、1日2〜3回クレジットカードや電子マネーを使用したとします。平均50円のおつりで計算すると、大体1年で4万円から5万円が投資に回ることに。ここでは少額の例で紹介しましたが、もちろん電子マネーなどの使用回数が増えれば、投資額は増えていきます。貯金ではないのでリスクはありますが、お金を少しずつ育てていくという感覚に近いのかもしれません。
コンピューターが運用先を決定
では、1カ月分たまったおつりは、どこに投資されるのでしょうか。
マメタスの大きな特徴は、ロボアドバイザー、つまりコンピューターが投資先を自動で判断していく、という点にあります。マメタスを運営する「WealthNavi」によると、自社開発のロボアドバイザーが、「世界の富裕層が利用する金融アルゴリズム」を、「完全に中立な立場」から、「国際分散投資」をすべて自動で行っていくとしています。
コンピューターに、自分の投資したお金をすべて委ねられるのか ──。
この点のメリットは、幅広い知識を持たなくても世界有数の大型株が1円単位で「勝手に」分散投資されていくと点や、気持ちに作用されずに投資できる点が大きいことになるでしょう。つまり、株価が上がれば買わなかったことを後悔し、下がれば売りたくなり、というようにその動向に一喜一憂することで、投資のタイミングを狂わせ運用を難しくしてしまいがちです。
もちろんロボットに任せたからといって、リスクが回避されるわけではありませんし、この点は事前にきちんと認識しておく必要があります。しかし、感情に惑わされずに分析・判断するロボアドバイザーに任せることは、いい意味で放っておくことができるわけで、中長期運用に向いているといえるでしょう。
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