2017.01.18
越境利用が多いのは「南半球だから」が理由!? ~どうなってる?オーストラリアのEC事情~
チーターデジタル 株式会社
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2016年夏、約2か月間仕事の都合でオーストラリアのメルボルンに出張していた筆者ですが、滞在中にオーストラリアのEC市場の調査をしていたところ、興味深い内容があったので記事にしました。今回テーマにするのは越境利用です。実に半数近くの豪EC利用者が「越境利用」をしているらしく、日本とはかなり異なる環境であることが分かりました。
グローバル企業が豪ECを牽引
まずオーストラリア国内で人気のECサイトは何か、探ってみましょう。emarketer.comの調べによると(※1)、2014年の豪国内EC 売り上げTOP10のうち、TOP1-3はeBay系サイト、4位はAmazonとなっており、いずれも海外のサイトでした。この上位4サイトで 34.2%のシェアを占めています(豪版Amazon.auは書籍のみ扱っているそうです)。この調査データから、豪消費者は海外サイトを多く利用してい ることが伺えます。
また、JETROの調査では、こんなコメントも紹介されています。
“ビル・ショーテン連邦副財務相によると、オンライン・ショッピ ングの市場規模は推定190億~240億豪ドル。国内売上全体に占める割合は現時点で3%程度とわずかであり、このうち海外からの輸入は20~50%であ るという。しかし、11年2月23日付のシドニー・モーニング・ヘラルド紙によると、オンライン・ショッピングは小売全体の6%に達しており、今後4年間 で年間平均8~14%のペースで拡大するとの見方もある。” (※2)
つまり、豪国内において、多くのEC利用者が海外から商品を購入しているということのようです。ECサイト売上TOP10のうち3割以上が海外サイ トという事実からも、この割合はとても真実味がありますね。またこれ以外にも、越境利用の多さを裏付ける多くの事実、コメント、定性データが存在します。
豪で越境ECが流行する3つの理由
1:1,000豪ドル以下の輸入は免税
オンラインショッピングで海外から物を仕入れようとする場合、少額貨物免税制度といって、1,000豪ドル以下の商品(タバコ類、酒類は除く)の関 税、財・サービス税(Goods and Services Tax:GST)は免税となるそうです(※3)ほとんどの日用品や消費財は1,000豪ドル以下で買えるでしょうから、越境利用のハードルは当然低くなる でしょう。国内で普通に買うより割安感があるかもしれません。
2:米ドルに対する豪ドル高
豪は英国の連邦共和国ですが、米国の文化も広く根付いており、実際eBayやAmazonなどの米国系ECサイトが広く利用されています。この豪・ 米2国間において、経済的には「米ドルに対する豪ドル高」の傾向がずっと続いており、米国から商品を輸入することにメリットを感じる消費者が存在するのも 要因のひとつといえるでしょう(※4)。また、豪の母国語は英語ですから、日本の文化圏と異なり、英語に抵抗がある人はほとんどいません。海外のサイト利 用の不安がないのは、こうした言語の問題も、理由のひとつとして挙げられると思います。
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1999年12月設立。グローバルでクロスチャネルマーケティング支援を行うチーターデジタルグループとしての強みと、日本国内での累計5,300社以上の取引実績を生かし、マーケティングサービスを軸に事業を展開。マーケティングオートメーションやメールマーケティングソリューション、およびそれらに関連するコンサルティングサービス・導入支援・業務分析などを提供しています。