人事・採用担当4名による、採用上の課題と対策、即戦力採用の考え方を語る座談会。今回は、前編として「即戦力人材の採用成功」についてお送りします。
小林:エージェントを利用するのはラクなんですよね。一度、エージェントの紹介で採用成功した企業は、難度の高い即戦力採用以外のポジションも紹介してほしいと依頼することが多いようです。採用担当者はエージェントに頼りきりになり、採用コストはどんどん上がっていきます。
三井:リアルな情報ですね……。私はエージェントを使う際も、候補者にバイアスがかからないよう、エージェント側が出す候補者の推薦文は読まないようにしています。
小林:そうそう。推薦文をうのみにすることで、稲垣さんがおっしゃっていたミスマッチが起こりますから。ただ、当社ではエージェントをダイレクト・リクルーティングと並行して活用しているので、「この方、本当にオススメですか?」「大丈夫ですよね?」などと念を押して、「この会社の人事担当者は、面倒なおっさんだな」と思わせる作戦に出ています(笑)。「小林さんの会社は注力企業にしないとうるさいぞ」とエージェント側に思ってもらえたら勝ちですね(笑)。
面接時の質問はすべて過去形。知りたいのは具体的な実績
――即戦力採用の面接において、皆さんはどんな評価項目を設けていますか?
三井:面接時にコミュニケーション力が高くても、そこまで信用しない……とかですかね(笑)。重要なのは、これまで具体的にどのような成果を出してきたのかという「事実」。成果のなかで発揮したコミュニケーションスキル、過去の経験、実績を評価できるように、質問は常に「過去形」でしています。
稲垣:当社では、社員の評価制度に基づいて質問を考えます。さまざまな項目があるのですが、入社後の評価につながる質問項目であるかどうかが重要です。また、人物を立体的に評価するために、配属予定部門だけではなく他部門の社員にも面接してもらいます。多方面の社員に会ってもらい、入社後、一緒に仕事を進めることになる部門の社員に人物を見てもらうことで、多角的に長所・短所を判断し、採用ミスを減らしていくのです。
小林:なるほど、勉強になります。でも、面接回数が増えてしまい、選考辞退になる懸念はありませんか。
稲垣:面談は代表の最終面談を含めて複数回行いますが、来社いただくのは2日と最小限に設定しています。最初来社された際に、30分刻みで社員に会ってもらいます。複数の社員に会ってもらうための時間の設計やタイミングなどを考えて面談をし、その後代表取締役社長が面談して終了です。採用ミスが一番の懸念なので、採用スピードは一定のトレードオフとして考えています。
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